【2007/06/30(土)】NASA2 〜Neyagawa Amusing Session A cappella II〜@寝屋川エスポアール・多目的ホール


行ってきました「NASA2」。寝屋川のアカペラサークル「Peace Bird」さん主催のイベントです。昨年に第1回が開催されており、前回出演されたA7さんのHPによると、Peace Bird / Root318 / A7 / Ottorio / etcetera / clearance の各団体が出演されていて、会場は今回と同じ施設内の音楽室(?)だったようですが、今回は規模を拡大してホールで開催されました。会場の寝屋川エスポアールは市の施設で、大阪市内だとクレオ大阪みたいな感じでしょうか。京阪寝屋川市駅からは徒歩10分ちょいですが、住宅街を通っていくので私は思いっきり迷ってしまいました。行きはタクシー乗ればよかったかも…(ウロウロしてるうちに汗だくになりました)。多目的ホールは可動式の座席(200席くらいか?)で、舞台には緞帳もついていて本格的。

今回は、2つのプロバンドを含んだ全8バンドが出演し、技術レベルやジャンルもさまざまで聞き応えがありました。なお、各バンドのセットリストは、曲名紹介があったもの、私が知っていたものはタイトルとオリジナル歌唱を載せましたが、実際の表記や演奏者が異なる場合もあることをご了承下さい。(明らかに間違っているものは修正しますので教えて頂けると幸いです)
では、出演順に振り返ってみたいと思います。(※文中のバンド名は敬称を略しました)

【Peace Bird】

 いつでも何度でも(木村弓
 We're All Alone(Boz Scaggs
 星のかけらを探しに行こう(福耳)

ホストバンドの「Peace Bird」が最初に出演。混声バンドです。録音した演奏を後で聴いて思ったのが「あれ?会場で思ったほどカウントがズレてないなあ?」ということ。これは客席から見える各人のカウントの感じ方が異なっているから「ズレているように見える」んですが、ビートの刻みをメンバー同士で合わせたら良いと思います。あとは、Boz Scaggsは歌詞が英語なので、発音以外にも音節の切り方や母音の位置を意識して歌えばさらに良いと思いました。(calmがcomeに聞こえたのはちょっと気になったかな…)

【Musa】

 赤いスイートピー松田聖子
 Diamonds(プリンセス・プリンセス

「Musa」は女声4名のバンド。イントロ聴いた瞬間「あ、聖子だ」と分かったんですが、音の取り方が丁寧なのと、コーラスワークをしっかりやってる演奏に好感を持ちました。あと、見た目は「お嬢」っぽい印象なのにMC(トーク)のギャップ(イントネーションのはんなり具合)が個人的にツボ(笑)、私は日常、神戸〜播州地区や北摂の人と話しているので特に耳に新鮮でした。演奏は、ベースがブンブン、ボイパがドンシャン鳴らす系の女声バンドに比べたら音の派手さは無いけれど、ハモリの美しさでは引けを取らないので、これは今後も期待したいですね。女声のみだとキーのレンジの問題もあって大変なんですが、あと一人いたらハーモニーの音数も増えて楽なんでしょうねー。例えば、赤いスイートピーの前奏は、元歌にもあるオブリガードの旋律があった方が良いと思うし、曲は2ハーフで、歌い終わりのパターンが同じになるのを避けたのかもしれないけれど、今回の1コラ終わりに間奏が重ならないアレンジだと、1曲終わってまた始まるみたいな印象になっちゃうから、やはり「スイートピー♪」のピの次の小節頭から間奏が入るほうが好みかなあ。(録音聴いても、やっぱり同じように思いました)

【P-Ange】

 Fly Me to the Moon
 Change the World(Eric Clapton
 My Favorite Things
 You'd Be So Nice to Come Home To(Helen Merrill

まず、お詫びすることがあります。以前UPした「よりアイ」の感想で「P-Ange」の男声メンバーに外国人がいる、と書いたのですが誤りです。P-Angeのメンバーは全員日本人でした。お詫びして訂正致します。m(_)m
1曲目を歌った後のMCで、「P-Angeには外国人男性がいる、と書いてあるブログがあった」という話があって、「あれ?それってこのブログのことか?」と気付いたんですが、間違えた原因は、
・バンド間でダブって参加しているメンバーさんがいて、他の団体と混同した。
・よりアイの時の「My Favorite Things」の男声の声が良かったのでネイティブの発音だと思った。
あたりが考えられますが、実は舞台上の人の顔がほとんど見えてないのが一番かも知れません。この時「この3人の誰を見て外国人だと思ったんでしょう?」と言われても顔が判別できない始末…。吊るし上げられている気持ちになりましたよ。
さて、演奏に関しては、「My Favorite Things」は歌いこまれているようで一番良かったです。このアレンジって市販譜でしょうか? A`cappella ExpreSSSのアレンジでも歌う実力があると思うので、いつか聴いてみたいですね。あと、女声リードの声質が魅力的だったことも理由ですが、jazzyでありながら演奏はsmoothで洗練されている印象が残りました。個人的には、各パートに動きがあるアレンジの曲をもっと聴いてみたいですね、リードとコーラスが完全に分かれてしまうアレンジだと、実力が生かされずもったい無い感じがします。
「You'd Be So Nice…」は原曲とはカウントが変わったようで不思議な感じでした。裏表が逆になったような印象…。これは歌じゃなくてアレンジの感想ですね。

FAITHMAX Rev.

 WINDING ROAD絢香×コブクロ
 One more time,One more chance(山崎まさよし
 確かな気持ち (Original song)
 Bedtown Boogie (Original song)

本来は男声バンドですが、この日は女声リードをサポートに迎えての演奏。
ここは何と言ってもリードの声に圧倒されました。(また間違っても失礼なので、ボイパの方の隣で歌っておられたリードの方です)
久々に「ええ声」聴きました。しかも良くある「声がよくても喉が強いだけ」じゃなくて、ちゃんとコントロールされている美声。いやー、すげー!!!と感動しながら聴かせて頂きました。
オリジナルの 「確かな気持ち」良い曲ですね。

〜休憩10分〜

Psyche

 You Give Love a Bad Name(Bon Jovi
 ビューティフル・ネーム(ゴダイゴ
 We Will Rock YouQueen
 シングル・アゲイン(竹内まりや
 ナキムシのうた(風味堂
 永遠にともにコブクロ

前から気になっていた男声バンド「Psyche」。今回初めて聴きました。
選曲の幅が広いですね、和洋問わず良い曲をチョイスした、という感じでしょうか。曲によってリードが代わっていましたが、その際バックのコーラスも隊形や位置を変える工夫が見られました。風味堂の「ナキムシのうた」は雰囲気出てましたね。

【Five Inmotion】

 I'll Be There(The Jackson 5)
 If(Olivia Newton-john がオリジナルでしょうか?、PWLがプロデュースした John Alford の盤も印象に残ってます)
 It's So Hard To Say Goodbye To Yesterday(Boyz II Men
 The Water Is Wide
 It's so easy to fall in love(オリジナルは Buddy Holly ですが Linda Ronstadt のカバー曲も有名ですね)

ここはオーストリア(ラリアじゃなかったと思うけど…)とカナダ出身の2名の外国人メンバーがいます。センターでMCもやっているフロー(?)はお調子もんという感じですが、憎めないキャラで観客を盛り上げるのが上手いですね。あと、このバンドは選曲(構成)が良いと思いました。流れが途切れることなく、観客を飽きさせない進行です。ただ非常に残念なのは、リト(?)のヴォーカルはすごく正確で素晴らしいのに他のメンバーの音がすごく適当なんですよねー。(笑)
これ、なんでハッキリ言うかというと「本気で練習したら完璧に合わせられる」だけの技術力を持っているのに、時間が取れないか、まあいいじゃん、のどちらかの理由で合ってないと思うからです。
本当にもったいないなあ、次に聴く機会があったら是非本当の音で聴きたいです。

あまとら

 Lupin the 3rd '80
 DREAM CATCHER(TRY-TONE
 ネタのコーナー
 There Will Never Be Another You(arr.by The Real Group
 My Romance(arr.by The Real Group
 夢紀行(TRY-TONE
 Route 66(arr.by TRY-TONE
 岬めぐり山本コウタロー&ウィークエンド arr.by TRY-TONE
 Love Letters(arr.by TRY-TONE
 ネタのコーナー
 Sir DukeStevie Wonder arr.by The Real Group
 It Don't Mean A Thing(arr.by The Real Group

久々にまとめて聴く「あまとら」。
まずは演奏の感想から、音響の調整が良かったこともあって、野外では聞こえにくい4thあたりのラインまでしっかり聞こえたのが良かった。あと、女声の変化を感じました。ちょっと前までは女声2名の声は個性がハッキリ分かれていて、それは楽曲や演奏の幅を広げている要素でもあったんですが、今回こんきちさんの歌い方を見ていて気付いたのが「口腔内がしっかり開いている発声だなあ」ということ(って表現分かりますかね?)例えば「My Romance」は、以前は「ぶんまわす」という表現を私はしていて、これは「腹筋の支えがあれば高音を張ってもちゃんと戻ってくる」という感じなんですが、今回は「無理をしていない⇒喉に負担が掛かっていない」発声で、これはただ脱力しているだけじゃなくて「ちゃんと開いている」ということなんですよね。また、これにより、2名の声の親和性が高まるという良い結果も出ていると思うので。今後も進化に期待しています。
あとは「夢紀行」が良かったかな。これ聴いている時に『多幸感』に包まれたという言い方を私はしたんですが、決してクスリをやってる訳じゃなくて(笑)、美しいハーモニーの波を感じた、と言ってもいいんですが、この日の演奏の中で「心が動かされた」のはあまとらの演奏だけなんですよね、和声の変化もあるけれど、ブリッジの終わりでリードに先行して2nd、3rd(かな?)が入ってくるところとか、「ああ、なんて美しいんだろう」と思いました。
他には、最初のネタのコーナーのてんこちゃんの「う〜ん、ネタのコーナー」の言い方は爆笑。各人が受け持つMCもそうなんだけど、聴き手のことを考えてトークや構成を考えてるなあと思います。そうそう、テナもんやさんリードの「岬めぐり」も良かった。あと、最後に歌った「It Don't Mean A Thing」は「よりアイ」よりも断然良くなっていて密度が増していました。リードがさりげなくJohannaと同じラインに変更されていたのもツボ。
ということで、あまとらの演奏は「性根」がいい。

clearance

 ※↓抜けが多くてスイマセン
 歯車 (Original song)
 BURN the BEAT (Original song)
 Summertime Blues
 LOVEPOTION #9
 ?
 ?
 流星のサドル(久保田利伸
 帰る場所(Noir
〔encore〕
 ?
 Get my shooting star!! (Original song)

トリはゲストの「clearance」
やはりプロの進行だけあって、流れが切れることなく、テンポ良く進むのはさすが!
音もリズムもしっかりしています。特に女声リードのrierie♪さんは、たぶん中音域がもともと得意なんでしょうが、高音域までシームレスに繋がるようレッスンしたことが分かる素晴らしいヴォーカルでした。これはアンコールの「Get my shooting star!!」を聴いていたらよく分かります。ところで、このフォーマットっていわゆる営業でもやっているものなんでしょうか。そつがない感じでいいんだけれど、プロバンドの構成って同じ感じのところ多いですよね。途中の「みんなで振り練習」みたいなコーナーとか(今回はリリース時期の問題で仕方なかったのかもしれませんが、個人的には苦痛な時間)。アマイベントですし、いつもよりは気を抜いた部分も見たかったような気もします。
noirのカバーとアンコールで歌ったオリジナル「Get my shooting star!!」がキャッチーですごく良かったです。


気が付けばイベントから2週間も経ってしまいましたが、主催の「Peace Bird」さん、受付お手伝いの方など、とても暖かい感じのするイベントでした。観客も入れ替わりはあったものの、出番待ちの出演者を含めて常時60〜70人は聞いていたのでは?来年もやって欲しいなあ。