【2008年11月07日(金)】神戸市混声合唱団 設立20年記念シリーズ「神戸市・リガ市姉妹都市提携35周年記念特別コンサート」(Vocal Group COSMOS)@神戸新聞松方ホール

maru20042008-11-07


http://d.hatena.ne.jp/maru2004/20081023/p1:TITLE=過去の投稿で書いていたラトビアアカペラグループ「cosmos」のコンサートに行ってきました。なお、公演予定にあった昼間の神戸市役所でのコンサートも演奏があったとのこと。どなたか聴きに行かれました?

公演タイトルにもあるように、神戸とリガ(ラトビア)の姉妹都市提携記念のため、通常のコンサートというよりも記念イベント色が強いものでした。全席自由で18時開場だったので早めの17時半前には会場に着いたのですが既に100名ほどの列 orz。客層はやはり年輩層が主ですが、これはホスト団体の神戸市混声合唱団の会員の方のご招待だったり、神戸市の記念イベントだからでしょうね。並んでいると開場待ちの列はみるみる伸びてホール前の通路は人で埋まり、主催者側の判断で開場は20分ほど早まりました。松方ホールはキャパ706席と比較的大きめのホールですが、1階席センターブロックの中ほどは招待者席となっており、後方には音響卓が設置されていました。招待席の前5列ほどは一般向けに開放されていたので私はセンター前方に座りましたが、入場時に「本日満席」のアナウンスがあった通り開演時には2階席を含めてほぼ埋まっていました、すごい動員です。

プログラム構成は、まずホスト団体の神戸市混声合唱団、続いてcosmos、最後に両団体で2曲歌うという内容でした。
まず、神戸市混声合唱の演奏。
■演奏曲目 指揮:井村誠貴
 A Little Jazz Mass [Bob Chilcott]
 For the beauty of the earth [John Rutter]
 When The Saints Go Marchin'in [arr. John Rutter]
 The Lord bless you and keep you [John Rutter]
 ラプソディ [外山雄三 arr.井村誠貴]

公演趣旨がよく分かる選曲ですねー、元キングス・シンガーズのチルコットのジャズ・ミサは歌詞こそミサ曲ですがメロディは完全なジャズですし、ラッターは、ライトで分かりやすいメロディの宗教曲やオシャレなアレンジでお馴染みの英国の作曲家。最後のラプソディは日本の民謡メドレーです。
ここはプロとして活躍している声楽歌の皆さんが在籍しているので技術的には素晴らしいのですが、残念ながら今回は会場セッティングがcosmos用のスピーカーや照明の仕込みのため、反響板が外されており舞台上の声がうまく響いて聴こえませんでした。私は前方の席だったので特に生声っぽく聴こえたのですが、舞台後ろはホリの幕だし、天井も横も筒抜けなので気の毒でしたねー。しかし、団員の皆さんは楽しげで、指揮者の井村誠貴さんは格好いい指揮をする方でした。(他の曲も聴いてみたいなあ)

続いてcosmosの演奏。
■演奏曲目 ※順不同
〔プログラム記載曲〕
 Trejdeviņi slepens(たくさんの秘密)
 Sunrise (Saullēkts)(日の出)←(これ歌いましたっけ?記憶に無いんですが…)
 Blackbird
 Vindo
 Tu kā, es kā(あなたは…)
 Dūdieviņš(雨を呼ぶ鳥)
 Parasta/Neparasta diena(普通の日/普通じゃない日)
 Vienreiz(1回)
 River of dreams
 Billie Jean ←(これも歌ったかなあ?)
〔他に歌った曲〕
 Tik un tā ←(ちょっと自信無しですが歌ったと思います)
 Can't take my eyes off you
 ※実際に演奏された曲は記憶を元に書いていますので誤りがあれば教えて下さいm(_ _)m

今回はラトビアの賓客も多かったためMCは両団体とも英語/日本語でした。cosmosの通訳は合唱団の太田務さんでしたが、ユーモアに富んだ感じの良い方でcosmosのメンバーも楽しそうに話していましたよ。演奏は最新アルバム「Turbulence」からの曲が多かったようですが、印象に残ったパフォーマンスをいくつか振り返ってみます。

「Parasta/Neparasta diena」(普通の日/普通じゃない日)
エコーなどを効果的に使った演奏でした。音響卓だけでなく舞台上でフットスイッチでイコライザーの切替もやってましたねー。

「Saullēkts」(日の出)
これ、上のセットリストにも書いたんですが歌ったのかなあ?全く記憶に残ってないんですよねー

「Vindo」
リズムパートのReinis Sejans は口琴(Jew's Harp)を使用し、民族音楽を思わせるメロディが、なんとなく THE REAL GROUP の「Gøta」(映像はこちら)を想起させるような曲です。リズムと壮大なハーモニーが印象的でした。美しい音圧でした〜

「Can't take my eyes off you」
バスのJanis Strazdins と リズム(rhythm)パートのReinis Sejans たった2人で演奏する「君の瞳に恋してる」。ボビーマクファーリンばりに各パートをスクラッチするように歌唱するのは圧巻です。まさにhuman beatbox!! マイコーみたいなダンスもいい感じ。

「Tu kā, es kā」(あなたは…)
リズムパートのReinis Sejans が「Devil's Leg」という楽器を持って演奏しますが、会場の皆さんも一緒に体を動かしましょう!ということで足で床を踏み鳴らし、手拍子を叩く練習を少しやってから演奏開始。客電も上げて明るくなった会場全体で盛り上がりました。

「River of dreams」
お馴染みBilly Joelのナンバーですが、これは彼らの終盤盛り上げ曲の定番になってるみたいですねー。ちなみに↓ビデオの観客と違って当日はちゃんと盛り上がりましたよ。

■合同演奏曲
 Bēdu manu lielu bēdu(私の悲しみ 深い悲しみを) [Latvian Folk Song]
 赤とんぼ [山田耕筰]


最後は両団で「誰でも知ってる自国の曲」を歌うということでしょうか、1曲目の指揮者はなんとcosmosのメンバー!!
残りのメンバーは合唱団に混じって歌いますが、言語的にも難しい曲を合唱団の皆さんもしっかり歌っておられました。ちなみにタイトルとは違って明るめの曲です。↓こんな感じの曲
http://jp.youtube.com/watch?v=bQ3b-dzEpuE:MOVIE
最後は井村誠貴さんにバトンタッチして「赤とんぼ」を演奏。これは1番を合唱団、2番はcosmosがオンマイクという感じで歌っていました。

cosmosは予定通り1時間ほどの演奏でしたが、曲数も結構歌ってくれたし、照明と音響も工夫されていて素晴らしいパフォーマンスでした。物販がなかったのはちょっと残念ですが、こんな素敵なコンサートが無料!ってのはスバラシイです。cosmosのJanis Sipkevics(リードを歌うことが多いカウンターテナー)もMCで「ラトビア代表として招聘して頂いてありがとうございます」と謝辞を述べていましたが、日本のファンも「来てくれてありがとう」という感じですよねー。実際の演奏を聴くまではCDだけで、手元にあったのは2005年までに発売されたアルバムだったので、もうひとつ垢抜けない東欧のアイドルユニットっぽいのかなあ?と思っていたけれど、ここ数年で演奏技術だけじゃなく楽曲的にもとても洗練されたようで、本当にすばらしいアーティストだと思いました。

ということで、翌々日の宝塚ベガホール公演に続きます。