【2005/02/20(日)】合唱団MIWO第21回定期演奏会@しらかわホール

名古屋まで行ってきました。合唱団MIWO定期演奏会。さて、どうだったかと言うと...



まずは、当日のプログラム内容を見て下さい。



【第1ステージ】指揮:大谷研二

MA.Charpentier/Te Deum

MA.Charpentier/Salve Regina

【第2ステージ】指揮:岩本達明

『南部の春』日本古謡「さくら」〜岩手県民謡「南部牛追唄」

J.S.BachNystedt/Komm, susser Tod(きたれ、甘き死)

F.Rabe/Rondes

新谷祥子/You Can Do It

Giles Swayne/Magnificat

A.Lloyd Webber/RequiemよりPie Jesu

メキシコ民謡/La Cucaracha

H.Alfven/Och jungfrun hon gar i ringen(あなたは踊りの輪のなかに)

【第3ステージ】指揮:大谷研二

O.Messiaen/Cinq rechants(五つのルシャン)より

武満徹/風の馬

【アンコール】

武満徹/さようなら 指揮:大谷研二

G.Gershwin/I Got Rythm 指揮:岩本達明



もう、強烈でしょう?(笑)



実は生で聴くのは初めてだったので、期待と不安が半分という感じで名古屋に向かいました。なんとか会場のしらかわホールに着くと、開場前から結構な人が並んでいて、開演の段階で9割近くの動員で、一階席はほぼ満席で二階席も半分以上埋まる盛況ぶり。期待が高まるなか、第1ステージ開演。

おお、上手いです。いきなりジーンとしてしまいました。特に女声が上手いですね。男声は悪くないですが、女声が良すぎるためか若干のバラツキを感じます。歌い出しが飲み込み気味の発声だったので、そう思うのかもしれません。滑り出し快調。

第2ステージは事前の情報だと訪問演奏などの曲、とあったので軽いものかな?と思っていたら、プログラムを見てビックリ。ああ、こう言うことをやってるんですか...楽曲レベルは全然お気楽じゃないですね(笑)。

オープニングは篠笛の音に導かれて、会場内の扉から女声が入場し「さくら」、続いて男声が「南部牛追唄」で入場、舞台に上がってまずニーステッド。続いて「見る」合唱のラーベのロンド。その後の新谷祥子「You Can Do It」はボディパーカッションです。この人リトミックもやってますよね確か。3つのグループに分かれてシンクロしながら手拍子や体を叩くもの。吹奏楽系の団体など、若い人の間でブームになりつつあるようです。練習するのが面白そうな曲です。

SwayneのMagnificatはアフリカ系のサウンド。お馴染みウェーバーのピエイエズスでは大谷研二氏がソロをやる隠し玉。ラ・クカラチャはカラーの手袋をしたゴキブリ隊が踊り、最後はアルヴェーンのナンバーで締めました。

さて、最終ステージは本日のメイン。難曲メシアンと武満。いや〜、ルシャンを歌えるのはスゴイ。

一部苦しいかな?と思う部分はあったものの2曲とも好演でしたね。

16時30分開演の18時40分頃終演でしたが、集中し過ぎたのか正直疲れました。



さて、どう書いたものか悩みますが、まず、「素晴らしい演奏だった」と言いたいです。

ただ、演奏とは違う部分で個人的に考えさせられることもあったので、ちょっと書きます。



誤解の無い表現で書きたいので、例え話にしますが、

美味しい料理屋があるとします。そこの料理長は元々は有名店で花板だったほどの人ですが、そんな過去の看板は表に出さず、おごることなく自分が美味いと思った料理を真面目に作って商売しています。もちろん昔馴染みのお客さんもいますが、ぶらりと一見で来たお客さんにも分け隔てなく対応している。料理の技術はもちろん食材も厳選されており文句のつけようが無い。そんな店で「万願寺とうがらしの焼き物」を食べました。料理人は仕入れで万願寺が無かった場合は甘長を使うこともありますが、お客さんにはそれも正直に言っている。な〜んてことがあったとして、これが万人に受けるかと言えば、そんなことはない訳です。料理人やお客さんには全く問題は無いですが、「万願寺っていわれてもよく分からないなぁ」なんて人もいるでしょうし、単純に嗜好の違いなんかもあるでしょう。

さて、合唱もこの話と同じで、コンクールで成果をあげて卒業、コンサートで好きな音楽活動を続けて行きたい、ってのが現在のMIWOですよね。観客はマナーも良く、多くは演奏曲の難度や技術を判断できる人々だったのでしょうが、全員が趣旨に賛同して理解して来場しているわけではありません。やはり会場内はルシャンが終わったあたりで聴衆の疲労が見えましたし、なにより「風の馬」の曲間での咳き払いの多さと演奏中に眠っている人の多さが、それを証明しています。たぶん「風の馬」の意味が分からない人が多かったのだと思いますが、パンフや当日の話の中でも「風の馬」が何なのか一切説明はありませんでした。もちろん、アマチュアでここまで歌える合唱団はなかなか無いでしょうし、歌い手が能動的に取り組んでいることが演奏から伝わりましたし、全体を通してケチのつけようがないものでした。が、私はもう一度聴きたいかと言われたら悩むと思います。数多とある「目指せOMP」みたいな合唱団や、選民意識がを感じる合唱団などとは比較のしようもないのですが、エンターテインメントとして超えられない壁の存在を感じてしまいました。例えば、バンキエーリ、スウィングル、スヴァンホルムなどの海外合唱団(ユニット含む)などを想像したら分かるでしょうか?


などと、MIWOには関係のないことを考えてしまいました。