【2006/03/19(日)】アンサンブル エヴォリュエ 第2回演奏会『ずっとうたっていたいから…』@うはらホール

maru20042006-03-19


先日の「々」に引き続き、こちらもインカレ系から一般合唱団となったエヴォリュエ。関西コンクールでは明暗が分かれたという感じで、こちらは苦戦していましたが、怖いもの見たさで1000円の当日券で行ってみました。日曜15時30分開演。どうやらマネ券が大量に配布されたようで非常に良い集客です。(客層は悪くない印象)

プログラムは3部構成で、指揮は全曲とも飯沼京子氏。
1.「もし鳥だったなら」(立原道造・詞/信長貴富・曲)
2.猪名川グリークラブ。賛助出演
  「思い出すために」(寺山修司・詞/信長貴富・曲)
3.「ずっとうたっていたいから…」
  Letztes Gluck(ブラームス)、花の街〈團 伊玖磨〉、島へ(武満 徹)、廃墟の鳩(村井邦彦)、壁きえた(新実徳英)、そのひとがうたうとき(木下牧子

さて、どうだったかというと、「悪くはなかった」です。
何でこんな感想を言うかといえば、指揮者ご本人がblogで「下手だ」という趣旨のことを書いていたから。
そう思いながら、1ステの「もし鳥だったなら」を聴いたら、これは以前に立命館メディックスの演奏を聞いたことがあるのですが、その時つまんない曲だと思っていたのが、今回聴いてみたら結構良い曲であることが分かる演奏でした。猪名川グリーの「思い出すために」もまあまあ。

確かに、致命的にアインザッツが合わない、とか音が違う状態が「々」とはレベルが違って、あちらの演奏上の欠点が目に見える洗濯物の「汚れ」だとしたら、こちらは「全体が薄汚れていて、どこが汚れているのか分からない」という状態。1曲目の歌いだしを聴いた瞬間に「下手な」ことは分かったのです。でもね、聴いてられないほど酷いわけではないし、そのへんの学生に比べたら人数も多いし、構成メンバーの多くはパートリーダーやってたような人なんでしょう?だから素材は決して悪くないのだと思います。

ちなみに、ゲスト指揮者で、「々」の水本貴士氏が「壁消えた」を、アンコールは伊東恵司氏が「うたをうたうとき」(信長貴富)を振ってましたが、歌い手の集中はこの2曲が一番良くて、特に伊東さんの指揮に対する意識は明らかに違っていましたね。
うーん、ちょっと何と言ったものか微妙ですが、私は演奏会でエクスキューズを聞かされてから歌を聴くのは嫌です。このように差が出た理由は、そういう部分じゃないのかなあ?
聴く立場の人間としては、別に「歌い手の思い」なんかはどうでも良くて、逆にそんなもん聞かされてもなあ、という気がするので、もしも『自己満足』な合唱でないのならば、ヌルイ言葉は捨てて、現実的な努力をすべきだと思います。その意味では、今のこの団体の成長を阻害しているものは指揮者なのだと思いますよ。他の指揮者で歌った時に明確に演奏が変わったのが皮肉にもそれを証明していました。
まあ、活動自体に異論を挟む気持ちはないですし、どちらかといえば昨今の大学合唱の現状からみたら応援したい気持ちはあるのですが、指揮者がブログで言い訳すんのは止めた方がいいと思うけどなあ。たぶんこの団体にアンチな気持ちを持っている人たちって、そういうヌルイ部分に引っ張られているのでは?