【2006/06/20(火)】カンテムス少女合唱団@いずみホール

maru20042006-06-20


行ってきましたカンテムス。昨年のプロムジカの印象が残っているせいか、また来たの?と思ったのですが彼らは7年ぶりの来日。
いずみホールに6時過ぎについたら結構な集客。当日券は若干出たようですがほぼ満席。これにはカラクリがあって、各演奏会場では歓迎演奏という名目で3団体くらい前座をやってまして、そのオンステメンバーが客席で聴いているので、その分はもともと売らない(いずみホールだと2階席と1階の際後列から数列分)のです。まあ、アンコールでカンテムスと彼らが共演するのがお約束ですし、その前座の身内が動員に一役買っているのも確かなのでお互い様でしょうか。この会場では、

泉佐野市少年少女合唱団(指揮:松尾卓郎)
カンティ・サクレ(指揮:松元佐和子)
大阪府立清水谷高等学校合唱部&合唱団CONTRAIL(指揮:詫麿眞樹子)

の3団体。出来はトップの児童が一番良かった。2番目はソプラノのピッチが壊滅的に低く、ラストの清水谷は、うーん、前回のプロムジカの時も思ったけれど、もっと違うアプローチがあるんじゃないでしょうか。1曲目のヴォルフ「一枚の古い絵に」はバリトンソロの福嶋勲さんの好演のおかげか合唱のつまらなさ(曲じゃなくて歌そのものね)が際立ち、2曲目libby larsen「The womanly song of God」(去年の合唱シンポでSan Francisco Girls Chorusが演奏したみたいですね)のクラップ&床を踏み鳴らす、ってのも、なんでわざわざこれをやる必要があるのかなあ?という印象。

さて、19時頃にやっとカンテムス登場。第1部は宗教テイスト(衣装は白のロング系)、第2部は民族テイスト(色とりどりのベロアのやつ、ちょい地味)というあちらの合唱団ではお決まりの構成でしたが、このコンサートでは翌日のすみだトリフォニー用の特別プログラムの確認も兼ねていたようです。他の方のブログを拝見したら高槻は全部ショマが振ったようですが、こちらは基本的にデネーシュで、第2部の前半だけショマが振ってました。(メイか現代劇場でも良かったと思ったけどプログラムが違ったようなので結果オーライ)

一曲目からいきなりブリテンの「キャロルの祭典」。(曲についてはここのサイトで詳しく取り上げておられますので参考まで。)メンバーが舞台袖と会場内の扉からキャンドル型のライトを持って歌いながら登場。だた、これは最初ちょっとピッチが浮き気味で危うかったですね。会場内でショマが状態をチェックしてましたので、翌日のオーダなどに反映してるのかも?続いてコチャールを3曲。オルバーンのパンゲ・リンガを挟んで第1部ラストが会場内にメンバーが広がって歌うビーブルの「ave mariaで、これが凄まじく良かった。私はちょうどセンターブロックの真ん中の通路よりちょい後ろに座ってたんですが、サラウンド状態で聴いていて、自分でも驚いたのですが、自然と涙が勝手に出てきましたよ。しかもジワーじゃなくて一歩間違ったら嗚咽に進行しそうなくらい体が反応してました。いやー、私めったに演奏聴いて泣くことはないし、特にカンテムスに感情移入もなかったので泣く要素が見当たらないのですが、やはり素晴らしく美しい音楽は何か作用するのかなあ?(自分では「ついにおかしくなったか」と思いましたけど(笑))

15分休憩の後で第2部。これまた会場から歌いながら入場(ハンガリー民謡の「秋風が山から吹いて」みたいな題名だったような?)。生誕125周年ということでバルトークを4曲(家畜のためのおまじない、悲しみ、さすらい、さようなら)。コダーイを3曲(神様の鍛冶屋、エジェテム・ベジェテム、最後の「esti dal〜夕べの歌〜」のショマの指揮のテンポ感が新鮮)。続いてエミール・ペトロヴィチの組曲「こんなにいっぱい」から3曲。(確かこの曲からデネーシュだったと思うが記憶不鮮明)もう一度オーダが会場内に広がって「さくらさくら」、舞台に戻って「ずいずいずっころばし」、あと順番が自信ないですが、ハンガリーのクリスマスのうた(クリスマスソング4曲からなる曲)、カライの「夕暮れの歌声」だったかな?アンコールは都合4曲で、会津磐梯山、ソーラン節(ハイハイの部分がマイナー音で面白いです)、コチャールの「Jubilate Deo」を賛助合唱団と全体合唱して、最後は会場全体で「ふるさと」を歌っておしまい。
サボー氏も来日豊富なせいか慣れていて、アンコールの時には「これが最後の最後の最後の最後でーす」みたいな感じで話して笑いを取ったり、曲紹介もプロムジカ同様、日本語でメンバーが行うので聴きなれない観客にも親しみやすかったのだと思う。ただ一点言いたいのは、賛助で動員アップはともかく、観客のレベルが下がるのはどうなんでしょう?いわゆる「観に来た客」はここにも居て。演奏中に喋るは、第2部の直前なんて怒号のようにウルサイし、賛助の清水谷の生徒はペットボトルや水筒を持って客席をフラフラ。2階席の手すりにもたれてたり、別にいいんだけど実際目にすると異質な感じ。(先生が生徒にマナー教えるべきでしょう)

ということで、来日2週間の間に全国10公演というスケジュールは大変なのか若干咳をしているメンバーもいましたが、やはり正しい音が出せるってのは素晴らしいです。いきなり倍音が鳴るってのは彼らにとっては当たり前ですが、今回聴いてたら上の音じゃなくて下の共鳴音も聞こえたのには驚嘆。彼らはそんなに体格も良いわけではなく華奢なほうですし、訓練方法で日本の合唱も変わるのかなあ?なんて思いました。本当に「美しい音楽」でしたよ。
さて来年は誰が来てくれるのかあ、個人的にはバンキエーリを希望したいです。これで4000円は安い!
なお、公演共通のパンフは別売りで1部500円、CDは3000円平均でDVDは4500円でした。私はパンフ(曲名が分からない場合があるからねー)と最新CDを購入しました。