【2007/01/21(日)】大阪大学男声合唱団第54回定期演奏会@メイシアター大ホール

2年振りに行ってきました阪大男声。さて、どうだったかというと?

1st stage
男声合唱組曲「在りし日の歌」

作詞:中原中也 作曲:多田武彦
指揮:根津昌彦

2nd stage
男声合唱のための8つのバラード「忠誠」

作詞:E.Dolmatovsky 作曲:D.Shostakovich
指揮:平畑祥吾

3rd stage
ミュージカルステージ「夢から醒めた夢」

編曲:中村亜由子 演奏:a・la・mode
演出・振付:有馬葉子
指揮:近藤彰人

4th stage
男声合唱組曲「IN TERRA PAX 地に平和を」

作詩:鶴見正夫 作曲:荻久保和明
指揮:浅井敬壹 ピアノ:藤澤篤子

5th stage
男声合唱とピアノのための「くちびるに歌を -Hab' ein Lied auf den Lippen-」

作詞:Hermann Hesse他 作曲:信長貴富
指揮:平畑祥吾 ピアノ:平林知子

今年は珍しく5ステ構成。2年前に来た時ほどは開場前に並んでいるお客さんはいないものの、なかなかの動員で、6〜7割は入っているように見えました。
まず、学歌を聴いて思ったのが、「うわー上手くなってる!」。理性的なハーモニーが聴こえるってのは、ここの伝統的な歌唱からすると意外なんですが、本編が期待出来る演奏です。
さて、1ステがお馴染みタダタケの「在りし日の歌」。指揮はOBの根津さん。最近の学生の選曲傾向ってこの手の曲が減っているようですが、私は歌い継ぐべきだと思います。もちろん好き嫌いはあるでしょうけど、男声合唱ならではの様式美というか、外せないと思うんですよねー。そうそうこの曲、非常に良かったです、久々にちゃんとした合唱を聴いた印象。難しい曲なのにやるなあ。以前も「中勘助の詩から」だったか、良かった記憶がありますが、今の阪大男声はこの路線の繊細な美しさがあっているような気がします。

続いてはショスタコービッチの「忠誠」ですが、こういうの流行ってるんでしょうか?

詩人ドルマトーフスキイとの協力で作曲された、無伴奏男声合唱曲です。1970年、レーニンの生誕百年を記念して書かれ、エストニアの優れた合唱指揮者エールネサクスに捧げられ、その男声合唱団により同年12月初演されました。

ということなんだけど、私はパンフ読まずに聞いていて、場内アナウンスで「銃声」と言ったのかと思ってたんですが、正直聴いててしんどくて「この曲いらないなあ」と…。学生指揮のチーフが2曲振るのは分かるんだけどね。

続いて、企画ステージは「夢から醒めた夢」主役のピコとマコは少年に、全体も40分程度の舞台にコンパクトに上手くまとめられてました。演技も自然でよかったのですが、いくつか改善要望すると、まず目潰し照明は多用すべきでないと思います。角度の問題かもしれませんが2階席は特に酷かった。あと、台詞はある程度はマイクで拾っていますが発語が不明瞭で何を言っているか分からない箇所が散見。あと、空港シーンでのデビルの役作りは疑問です。敢えてノーマルなキャラクターにしても良かったんじゃないでしょうか?正直、こちらが恥ずかしくなる台詞回しでした。だた、全体の出来は素晴らしく、エンディングのドライアイスの海で二人が立っている演出も美しくて良かったと思います。(まるでエリザベートのようだったけど…)

さて、今年の浅井敬壹/藤澤篤子コンビはIN TERRA PAX。個人的には大人が歌うにはどうなの?という楽曲ですが、まあまあ。というか、ここまでで既に疲労が激しくて集中して聴いていられなかった…。ふらふらになりながら、やっと最終ステージの信長貴富。これ初めて聴きましたが、まあいつもの調性ですね、演奏はまずまず。
いやー、全体を通して思ったのは学生にありがちな「レベルの低いカタルシスが無い」ということ。このところ学生の演奏を聴きに行って無かった理由でもあるんですが、ここは「まとも」だし、音が比較的正確でした。まあ学生の活動は毎年当たり外れがあるけれど、阪大男声は今後もチェックしたいです。