平山瑞穂『冥王星パーティ』

発売日に買っていながら読む時間がなかなか取れずに、このまま積読ゾーンに行ってしまいそうだったのですが、やっと読みました。読み始めると止められない、どうなんのーーー?と気付けば読了。
いやー、何でもっと売れないんだろう。伊坂とか好きなひとだったら絶対に気に入ると思うんだけどなあ。前作『シュガーな俺』はちょっと毛色の違う作品でしたが、著者が仰る通り本作はラスマンの後に出版されていたら良かったのかも。読みながら、何と表現したらいいのかなあ?と思っていたんですが、「共感できる」は陳腐だし、うーん、悩みますが、私が好きな理由は、「最終的には本人が責任を持って前に進む」ってところかな?
微妙にネタバレになるかもしれませんが、例えば本作だったら、最後の場面を書かずに一つ前のバスの中で適当に「僕はどこにいるんだ?」みたいに煮え切らない終わらせかたをする作家っているでしょう?あれ読んでて本当に腹が立つんですよ。ここまで書いて何を適当に雰囲気で終わらすんだ!てね(笑)別にハッピーエンドである必要は全く無くて、悲惨なエンディングでもいいんだけど、ちゃんと責任持って終わるのが好きです。

そんな作品が好きなかたにお勧め。一気読みしちゃいますよ。

そういえば、読み始めてしばらくは、なんとなく舞台が昭和というか平成の世の中とは思っていなかったんですよね、実際は場面や場所もバリバリ現代なんですが、何でだろう?語り口の穏やかさがそう思わせるのかなあ?


冥王星パーティ

新潮社
平山瑞穂

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早いもので4作目。まずは『ラス・マンチャス通信』を読んで、次にこれが良いと思います。まあ別に順番はどうでもいいので是非一読を!