【2007/05/27(日)】The Real Group JAPAN TOUR 2007@リサイタルホール(大阪)
東京公演も終わりましたのでUPします。
行って来ましたリアルグループ。チケットは公演一週間を切る頃には完売でしたが、この日は若干の当日券と立見席券が販売されました。
まず、公演全体の感想から。素晴らしかった!!
ホールのキャパが563席、座席も18列とコンパクトなホールだったため舞台が見やすく、観客の一体感も異様なほどの盛り上がりでした。また音響エンジニアの力量か、PAのバランスが非常に聴き易かったこと、主催者側のマネージメントが優れていたことも成功の一因だと思います。これはキョードー大阪とアミューズのおかげでしょうが、物販・公演後のサイン会などを含めて場内の仕切りが良かった。(公演後には収録アルバムを書いたセットリストも掲示されてました)以前から何度も書いてますが、数年前までの来日公演のマネージメントは酷いもので、開演や開場が急に早まったり遅くなったり、まさに素人仕事という感じ。心からアミューズに変わって良かったと思います。
さて、主催者提供のセットリストは国内盤のアルバム中心の記載でしたので、輸入盤を含めて書いたものを以下に載せます。なお、国内盤レーベル Spice of Life からは「Stämning」が今後リリース予定と書いてありました。てっきり「One for all」かと思っていたので意外ですね。
今回は、DVDにもなっている『Live at Stockholm Concert Hall』をベースにして、あれは「In the middle of life」のプロモーション色が強いので、このツアーでは一部は日本盤の収録曲に組替えを行ったり、メンバーチェンジ後の新体制用に合わせて選曲し直した印象ですね。
私は昨年末の東京公演は観ていないのでその時と構成が変わったのか分かりませんが、HNK出演時はMargaretaと比べて劣る感じが否めなかったJohanna Nyströmが今回すごく良くなっていて、これはテクニックどうこうよりもバンドとして合わせる時間が足りなかったんだなあ、と思いました。昨年の冬までは前のメンバーで演奏をしてた訳で、完全脱退してからの期間を考えてもやっと半年ちょいという感じですもんね。曲をみたらリードを取る楽曲のバランスも偏りが無いし、国内盤の収録曲を入れるってのも、国内盤でリアルを知った聴衆にとっては良い選曲だと思うし、20年以上のキャリアと世界的な名声を得ながら、もうひとつ日本国内でのメジャー化ができていなかった彼らにとっては素晴らしい再(?)デビューですよね。
[Setlist] | ||
演奏曲名 | 収録アルバム ※[]は同一曲収録盤 | |
[1st set] | ||
Prime Time Blues | In the middle of life | |
I'll Never Fall In Love Again | Pop Collection | |
It Don't Mean A Thing | Nothing but The Real Group [Get Real] [Unreal] | |
Uti vår hage | Stämning 邦題:「私たちの草原で」 | |
There Goes My Heart |
※new song 〔追記〕タイトルにagainはつかないようです | |
Sweet Lorraine | ※new song (Sung originally by Nat 'King' Cole) | |
The Thingamabob | In the middle of life (Bonus Track - available only in Korea) | |
Vem kan segla förutan vind | One for all [Allt det bästa] | |
Mister Father | In the middle of life | |
Swedish hit medley Hooked on a feeling Dancing Queen It must have been love The sign Cotton-eye Joe (a.k.a. Cotton Eyed Joe) |
One for all | |
[2nd set] | ||
All For Love | Commonly unique (Limited Edition - available only in Japan) | |
What You Won't Do For Love | Sung by Skoop On Somebody (Sung originally by Bobby Caldwell) | |
Gøta | In the middle of life | |
Run, run, run | Commonly unique | |
What Are You Doing for the Rest of Your Life? | Get Real [Unreal] | |
Commonly Unique | Commonly unique [The Real Thing] | |
Lift me up | Commonly unique [Allt det bästa] | |
Count Basie Medley Flight of the Foo-birds Shiny Stockings Lil' darlin Splanky Whirly bird |
アルバム未収録(DVD『Live at Stockholm Concert Hall』) | |
[Encore] | ||
Granada | Allt det bästa | |
Ticket To Ride | Pop Collection [The Real Thing] | |
SOS | Commonly unique (Limited Edition - available only in Japan) | |
Hard to say goodbye | One for all | |
※韓国盤の「The Best - Tour Souvenir Album」は「Allt det bästa」と同一内容のため上記リストから除外しています ※「It Don't Mean A Thing」は[Get Real] [Unreal]収録の新アレンジで歌っています |
さて、公演内容をふり返ってみましょう。
18時30分開演、オープニングは「Prime Time Blues」、バカラックで少し緩んだところで「It Don't Mean A Thing」。この曲って最初のWhat good is melody, what good is music♪っていうverseがわくわくしますよね。メインの部分はDVDと同じくCDよりも高速で圧巻という感じ。これはJohannaが素晴らしかったです。途中のDon't Mean A Thingの部分のフェイクも良かった。エリクソンとコラボした「Uti vår hage」の後はアルバム未収録の楽曲を2曲、Johannaリードでメロディアスなバラード「There Goes My Heart Again」、Anders Edenrothリードで「Sweet Lorraine」。後者は「It's Only A Paper Moon」を思わせるミディアムテンポが心地よいナットキングコールのカバー楽曲。ほんとにこの手のアレンジものは上手いですよねー。前半はこの調子で各人がリードの曲がまんべんなくという感じ。お馴染みAnders Jalkeusが博士、Anders Edenrothが永久機関を演ずる「The Thingamabob」も何度聴いても楽しい楽曲。「使い道は何ですか?」と訊ねても博士自身が言葉を繰り返すThe Thingamabobになってしまったり、「寝てるんですか!?」と聞かれて急に歌いだしたり、演技の部分も超絶技巧なナンバー。続く「Vem kan segla förutan vind」原曲はクロマチック・ハーモニカの名手トゥーツ・シールマンスとの共演だったものを、ハーモニカ部分は声での演奏に置換したバージョンになっていて印象が違いました。また、Peder Karlssonリードの「Mister Father」は歌う前に、イラク戦争の後で作った曲で「力を行使するためには責任を伴うことを書いた」というような説明があって、たしかに銃とか死が歌詞に出ていたなあ、と思い出しました。MCネタとしてはJalkeusが「僕が知ってる日本語は、ホタテ、マグロ、アキハバラ」とボケたりと、ただ歌うだけじゃなくて曲感をうまく繋いでいました。前半はSwedish hit medleyで締め。出だしのウガチャカ♪ウガチャカの部分で音がちょっと危ない感じでしたが、すぐに持ち直していたのはさすが。
ここまでで40分ちょいでした。休憩に入った瞬間の場内は通常のライブ会場とは違って、ためいきを含んだ奇妙なザワツキで、演奏に圧倒されたのと興奮が入り混じった不思議な感じ。もちろん熱狂的なファンはいるんですが、それよりも生の演奏を初めて聴いて、その凄まじさに困惑したように驚くってのは他にはないですよねー。休憩時間に「(あまりの会場の盛り上がりに)ついていけないかも」なんて話したんですが、集中と大歓声が交互に続いて本当に場内が熱にやられてる感じでした。
後半トップはコラボシングルを発売したSkoop On Somebodyが共演。舞台にはキーボードとドラムセットが出ています。ドラムセットと言ってもバーチャイム、シンバル、カホンなどのパーカッションで、カホンはスネアっぽい音になる仕込みがあるタイプだったと思います。「All For Love」は正直シングルやアルバムよりも断然この演奏が良かった。そういえば今回はMCで英語以外に日本語がいくつかあったんですが、ここでは歌う前のMCがtakeさんとEdenrothの漫才状態でした。Edenrothが「まいどビキニ」いや「まいどおおきに」とボケるのを、「楽屋ではアンちゃんに、やめとけって言ったのに〜」とネタばらししたり、(英語で)「takeは僕の妻のビキニが好きです」とボケて、takeさんがコラボの経緯を話している時も、ラジオのゲストでセッションして、その一ヶ月ちょい後にはスウェーデンのスタジオでレコーディングして、スウェーデンの国王陛下の前でも歌ったんですよ、と話しているそばから、英語に訳しましょう!と言って、「takeはスウェーデンでもモテモテでした(※意訳です)」とボケる始末。あ、ちなみにアンちゃんてのはEdenrothのことです。最初聞いてて「兄(あん)ちゃん」かと思ったら、Anders(アンダーシュ)のアンでした。
この曲の後は、リアルからもう1曲歌っていいよ(もちろん予定通りですが(笑))とオファーがあってBobby Caldwellの「What You Won't Do For Love」をS.O.Sだけで演奏。
再びリアルが登場し、ここでもPederから「Gøta」はフェロー諸島のことを歌っており、風が強いため木々は育たない小さな島だ、と楽曲説明があり、その上で聴いていると目の前には荒涼とした岩場を渡る風や草原が見えるようでした。(ただ聴いても「なんのこっちゃ」になりやすい曲は、こんな風に説明があったほうが効果的ですね。)この曲はちょっと絶叫系になってましたね…。キー高いからなあ。
後半は「Run, run, run」「Lift me up」などノリやすい曲もあり、あっと言う間に時間は過ぎ、Katarinaから「次で最後(last)の曲です」とMCがあると会場からは「NO〜」の声が、それを受けて「maybe」と返して会場はさらに盛り上がりました。
アンコールもさらに盛り上がり、まずはJalkeusが登場し、ベース(5th)の悲哀というか、リードナンバーの少ないことを話します。ベースラインの音を歌って、歌い始めてから10年ずっとこればっかり、みたいな内容で入り、やっともらったソロはこんな感じ、と譜割りが倍になったリズムを口ずさみ、次はこれ、とCotton-eye Joeを一節、次はこれ、とThe Thingamabobの一節を、そして「今度のソロはこれです。バックコーラス(笑)出てきなさい」という感じで歌ったのが「Granada」。途中ハンカチを噛んだり、左右から前に出ようとするバックコーラスを後ろに追いやったりと大爆笑の盛り上がり。「Ticket To Ride」の後に再びSkoop On Somebodyを舞台に呼んで、コラボでも歌った「SOS」を全員で歌ったのですが、この時もtakeさんから「さっき楽屋で、大阪は凄い盛り上がりで素晴らしい」ってリアルのみんなと話してたんだよー、と話があって。舞台上でtakeさんがKatarinaに確認すると「in the world」とリッピサービスで言ってしまって苦笑するようなシーンもありました。
最後は「Hard to say goodbye」。熱いコンサートを締めくくるナンバーでした。後半はアンコール含めて1時間くらいでしょうか。いやー、次はいつ来てくれるんだろう?今回の会場のリサイタルホールは建て替えのため来年秋には閉鎖されるけど、次も是非これぐらいの規模の会場でやって欲しいなあ。
ということで、記憶が残っているうちにガーっと書いたので、オカシイ部分は徐々に直して行きたいと思います。
しかし行ってよかった〜。
〔追記〕2007/06/05
演奏曲のメドレー曲の内容を加筆しました。
あと、思い出したことが一点。メンバーの日本語が上手になっていて、特に4thのPederは凄く上手かったのが印象に残りました。The Thingamabobの曲紹介の際にも、アンチョコ(死語か…?)を見ながらでしたがなかなか聞き取りやすかったですよ。
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おまけに過去の海外公演でのサウンドテスト映像。
何もせずに上手いわけじゃなくて、ちゃんと練習してるってことですな。