【2008年10月08日(水)】バンキエーリ・シンガーズ第7回日本公演@ザ・フェニックスホール(大阪)

関西地区公演の初日は梅田のザ・フェニックスホール。今回のツアーは基本的に18:00開場、18:30開演だったようですが17:30から販売される当日券(3500円)を買うために早めに現地へ向かいました(朝ホールに聞いたら主催者が出演者と一緒に移動中のため枚数は不明ですが若干枚の販売予定はあります、とのことだったため万が一に備えて早めに行きました)。到着した17時過ぎにはガラガラだったロビーも、17時半過ぎには徐々に人が増えて開場待ちの列も出来始めていたので動員はまずまずの様子。まあ、基本的には賛助団体が客を呼ぶので日本ハンガリー合唱交流委員会の招聘公演はこんな感じです。ここはホール付きのレセプショニストがいるので案内もスムース、当日券販売を行っていた賛助団体の方の応対も感じが良かったです。キャパ300席ほどに賛助合唱団の座席を除けば販売は200席程度、さらに関係者がばら撒いた分を除けば一般販売分は少なかったと思いますが、結果的にこの会場が一番一般ファンの数が多かったようです。老若男女という客層で2階席の一部を除いてだいたい埋まっていたと思います。

全席自由席だったので早めに行く必要はあったものの、会場規模が小さいのでこのシステムは有効でした。前売り指定だったら席に不満も出るけど自由だったら諦めもつくし(笑)。1階席に座席をキープしたら物販コーナーをチェック、バンキエーリ以外にもハルモニア扱いのCDやDVDが売られており、つり銭の問題もあったのでしょうか、CDは3000円で統一されていました。なお、バンキエーリ・シンガーズ結成20周年記念ライブ盤は会場で先行発売されていたのでもちろん購入。他には公演の共通プログラムが1部300円でした。(この大阪公演ではたぶん無かったと思うんですが神戸と高槻では、新譜のジャケットと同じデザインで彼らの活動の歴史を写真で紹介した写真集みたいなパンフレットも1部500円で売られていましたよ)

裏側には歴代メンバーの写真と在籍期間が書かれています。
収録曲は、今回の来日ツアーでも演奏したMadrigal comedyの楽曲12曲、ルネサンスの曲4曲、ポピュラー楽曲などのカバー10曲で収録時間は約70分。

■歓迎演奏
■合唱団 ロンド・ハルモニア 指揮:松元佐和子
Adventi Enek (Z.Kodaly)
花 (編曲:信長貴富
■合唱団 Contrail 指揮:詫磨眞樹子
Audi Voces (G.Orban)
えっさっさ (松下耕
奄美諸島の四つの島唄」より 「三京ぬ後」 (松下耕)

さて、まずは賛助合唱団の歓迎演奏。ロンド・ハルモニアはねー、うーん個人的には忍耐の時間でした。よそで聴いたらそうでも無かったのかもしれないけれど、バンキエーリを目的に来場してるので音に関して辛いものがありました。パートバランスの悪さや、パート内の特定個人が悪目立ちしてんのが凄く気になった。
Contrailはしょっちゅう聴いてるような気がするけど、なかなか良かったんじゃないでしょうか、ただ3曲目で人数が増えて急に集中力の高い演奏になってビックリ、あれはなんだったんだろう。
ここで休憩が入るかと思ったら賛助団体と入れ替わりにバンキエーリ・シンガーズが登場。前振りなしでTallisの「世の救い主」(Salvator mundi)を演奏。いやー、最初から鮮烈な音でホールが満たされていって、この時点で来て良かったと思いました。ちなみに、別売りプログラムには一応演奏予定の曲目が載っているものの、当日のコンディション等で組替えるというカンテムス・プロムジカ方式でした。メンバーから曲目紹介はあるものの掲載されていない曲もあるため下のリストはちょっと自信ありません。行った初日だったからメモを取ることも考えてなかった…。間違っていたら情報下さいm(_ _)m
前半はルネッサンスものを5曲歌って、「前半の最後の曲です」みたいなMCが入ったから「ええー!?」と一瞬驚きましたが、マドリガルをメドレー形式で歌う「Madrigal comedy」は20分近いから前半の山場でした。これは10曲(プログラムでは10曲表記ですがCDでは12曲)ほどのマドリガルを男女の恋愛ストーリーの筋立てにして演奏するもので、ちょっとした小物(プラ板に絵が描かれた小道具)を使って演技も入ります。(これは今回発売の新譜に収録)
15分の休憩を挟んで後半はポピュラーソングも含めたバラエティ豊かな構成。2部の冒頭ハンガリーの作曲家の作品をまとめて歌うのですが、この1曲目がなかなか良いです。が、作曲家も曲名も聞き取れずorz 後で聞いたら予定していたプログラムには無かった曲で、公演前に彼らがこれを歌いたい!と持ってきたようです。お馴染みコダーイの「Esti dal」に続いて演奏されたオルバーンの「Hintafán」はハンモックという邦題でしたが、子供がゆりかごで眠りながらみている夢の情景を歌った感じの楽曲。これも素晴らしくて、印象としてはドビュッシーの「子供の領分」第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」とか、ストラヴィンスキーの「ペトリュー シュカからの3楽章」の第1楽章「ロシアの踊り」みたいな感じとでも言うのか、次から次へ映像が変化して気持ちが高揚するような楽曲。こちらは1987年の作品ですが楽譜は出版されてないみたいです。手書き譜っぽいけど、これは日本の合唱団が歌っても反応良さそう。是非上手いところに演奏して欲しいです。
で、ここからの曲順が記憶曖昧なんですが、他公演と同じだったと考えると次がクラシックのアカペラアレンジもので、セヴィリアの理髪師の序曲、熊ん蜂の飛行だったはず?んでクラシックの作曲家がたくさん出てくる10分超の大作「Masterpiece」は結果的に大阪のみ(※関西地区3公演の中で、の意味です)演奏、次がビートルズなどアレンジもので「When I am 64」も大阪のみ、どうやら大阪は以前の来日プログラムに近い構成にしていたような感じ。たぶん?アンコールに歌っていたはずの「Dayton, Ohio - 1903」も大阪のみでした。
単独のアンコールのあとは花束贈呈があって賛助団体との合同演奏。まず賛助側の指揮者が振って、最後はショマが振ってお開きというパターン。開演18:30の終演が20時45分くらいでしょうか、けっこうみっちり歌ってくれたなあ、と満足。あと技術的には以前よりも良くなってると思います。前は男声メンバーとカンテムスのお姉ちゃんという感じだったのが、まとまりがでてきているし、ある意味で弱点だったベースも上手くなっていたので良かった。
ということで、初日は終了。その後、会場であったアカペラーさんと終電近くまで盛り上がって帰宅。

■演奏曲目
■第1部
Salvator mundi (Thomas Tallis)
O nata lux (Thomas Tallis)
O salutaris hostia (William Byrd)
Drop drop slow tears (Orlando Gibbons)
Timor et tremor (Orlandus Lassus)
[Madrigal comedy]
Sing We and Chant it (Thomas Morley)
Feinslieb du hast mich g'fangen (Hans Leo Hassler)
Come again (John Dowland)
So trinken wir alle (Arnold von Bruch)
Come Sirrach Jack ho' (Thomas Weelkes)
Matona mia cara (Orlandus Lassus)
Cucu (Juan del Encina)
Fata la parte (Juan del Encina)
Come gentle swains (Michael Cavendish)
Of All The Birds (John Bartlet)

■第2部 順不同、アンコールを含む曲目に誤りあるかも?
[unknown song title] ※ハンガリーの作曲家の作品、タイトル不明
Esti dal (Zoltán Kodály)
Hintafán (Orbán György)
Overture from Il barbiere di Siviglia (Gioachino Rossini)
Flight of the Bumble bee (Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov)
Masterpiece
Yesterday
When I am 64
炭鉱節
君といつまでも
おてもやん
※あと1〜2曲やったかも?どうだったかなあ。

■単独アンコール
Dayton, Ohio - 1903 (Randy Newman)
■賛助団体とのアンコール(1曲目は賛助団体の指揮者、2曲目はショマが指揮)
さくらさくら (編曲:若松正司)
Köszöntő [Nagyszalonta] (Zoltán Kodály)