【2009年02月14日(土)】アヴァンギャルド・チャイナ —〈中国当代美術〉二十年—@国立国際美術館

maru20042009-02-14


そろそろ花粉症の時期なので午前中に耳鼻科、昼過ぎに歯医者に行ったら3時過ぎ。これは行けそうだ、ということで行ってきました「アヴァンギャルド・チャイナ」。会場は国立国際博物館です。入場料は1000円、図録は2000円でした。

さて、展示は地下2階に降りたスペースが同時開催の『新国誠一の《具体詩》詩と美術のあいだに』、奥のスペース手前に、孫 原・彭 禹(スン・ユァン+ポン・ユゥ)の「老人ホーム」が展示されています。これは13組の電動車椅子とそれに乗った人物大の樹脂製の人形のインスタレーションで見もの。その左手奥には8つのスクリーンに映像を映した、楊 福東(ヤン・フードン)の「断橋無雪」があり、椅子も設置されているのでゆっくり映像を見ることができます。白黒で山水画のような情景と男女、時間が無くゆっくり見れませんでしたが非常に美しい映像でした。

残る作品は地下3階で、モディリアーニ展の時とは違い、エスカレータを降りた反対側の奥が入口でした。この階は前半が主に絵画などの作品、後半が映像作品という感じでした。何せ映像作品が多いので、一部は見世物小屋のように入り口に暗幕カーテンが引かれて、中では延々と映像がエンドレスに流されているという趣向。そこそこ面白いですが作品数が多いので見るだけでも疲れますし、映像作品は好みが分かれるなあ、という印象。

ということで、私のお勧め順路は、まず地下2階で新国誠一の作品から見て、次に「老人ホーム」と「断橋無雪」。その後、地下3階をゆっくりまわる、という感じです。所要時間は映像をしっかりみるなら2時間近くは必要です。なお、地下3階の展示で最後の方にあるフィットネスジムのマシーンの作品は毎時0分に3分間だけ動くそうなので時間を確認した方が良いです。17時閉館の日は16時が最終なのですが、私は気づけば過ぎていて見逃しました。

館内は土曜の午後というのにガラガラ。来館していたのは50名もいなかったように思えます。見るには非常に良いのですが、前回のモディリアーニ展と同じく観客のマナーが悪い。それにしても男女カップルと女性グループは何で美術館内で喋るんでしょうか?それに靴のヒールをコツコツと鳴らしながら歩くのにも閉口!それと、中国人旅行者などは携帯で話していて、これはさすがに係員が制止していましたが、他にも、ロッカーがあるのに大きなカバンを背負ったままの入場を黙認するなど、美術館としての姿勢にも問題あるんじゃないでしょうか? しゃべるのなんて、係員が「お話にならないで下さい、静粛に願います」と注意すりゃいいだけでしょう?
美術館はショッピングモールとは違うのですから、静かに観賞したいと望むのは決して無理な願いではないと思うんですよねー。

ところで、今回行ってみて思ったのは、この美術館、やはり展示スペースが狭いです。例えば、曹 斐(ツァオ・フェイ)の楽しい映像作品「ラピッド・ドッグス」などは袋小路になった奥のスペースで、手前には別の作品が映されているので数名で満室という状態でした。なんだかなあ…。