【2010年03月27日(土)】没後10年 小倉遊亀展〜とうとう絵かきになってしまった〜@兵庫県立美術館

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1895(明治28)年に滋賀県大津市に生まれ、2000(平成12)年に105歳で世を去った日本画家、小倉遊亀おぐらゆき)の画業を紹介する展覧会です。小倉遊亀は大正から平成にわたるおよそ80年の画業の中で同時代の女性像や静物を、力強い構成と鮮やかな色彩で生き生きと描きだしました。鋭い観察眼と豊かな感性でとらえられたその世界は今なおみずみずしい輝きを放っています。
 
遊亀は奈良女子高等師範学校(現在の奈良女子大学)を総代で卒業、25歳の時に安田靫彦(やすだゆきひこ)に入門し日本画家の道を歩み始めました。日本美術院を活動の場とし、67歳で日本芸術院賞、85歳で文化勲章を受章するなど戦後の日本画界に大きな足跡を残しました。
 
 本展覧会は、遊亀の没後10年にあたり、初期から最晩年までの作品、下絵、挿絵等約100点でその画業を回顧するものです。激動の20世紀を生き、時代の諸相を鮮やかに描き出した画家の世界を紹介します。

行ってきました神戸まで。
展示案内のポスターが気になり会期末に行ったのですが、いやー素晴らしい回顧展でした。展示数もたっぷりで良いんだけど、展示空間もよかった。美しい色彩を堪能!
ポスターにもなっている「娘」は何度も順路を戻って鑑賞しなおしたんですが、3時間くらいかな?ほんとにいつまでも観ていて飽き足りない作品ばかりでした。それと、彼女は105歳で亡くなったんですが、活躍した期間が凄まじく長いんですよ。展示作品をみていて、40歳頃の作品か、60歳頃か、と順番に観ていくと、当たり前ですが60歳でも40年以上その後のキャリアがあるんです。最近の世の中って、働く環境でみたら25〜35歳くらいまでが盛りで、それを過ぎたら世の中から不要みたいな扱い。40超えたらあとは死ぬまで評価が落ちて行く、みたいな狭〜い価値観だけど、40でも残り60年生きた人がいると思ったら、なんだかしょうもないことで悩むのが馬鹿みたいに思えてきました。
今回は図録はもちろん、絵葉書やクリアファイルなど久々にいろいろ買ってしまいました。兵庫県立美術館て企画が素晴らしい!