【2008年01月12日(土)】next mushroom promotion vol.10『ジェラール・ペソンの音世界』@ザ・フェニックスホール

maru20042008-01-12


質問:なんで現代音楽の公演にわざわざ行ったのか?
回答:ゲスト指揮者が細川俊夫(俳優じゃなくて音楽家の方ですよ念のため)だったから。

ということで興味本位で行ってきました。公演自体は3部構成で以下の内容。演奏はhttp://homepage2.nifty.com/kinoko2001/top.htmlです。
ちなみに指揮者の細川氏は理知的で人のよさそうな感じの方でした。なんだか意外。

さて、私は講演会は聞かずに第2部から行きましたが、これがとても良かったんですよねー。これまでは現代音楽って、どの部分を楽しんだらよいのか分かり難いような、あれを好きな人は実は分かった振りをしてるんじゃないか?なんて印象を持っていたのが、この演奏を聴いたら考えが180度変わりました。例えば、普通の12音律で調性感のある美しい音楽ってのはいくらでもあるし、わざわざその枠を外れたり、変わった奏法で演奏するのは「飛び道具」的な考えじゃないの?と思っていたけれど、それは違う!!
たぶんCDや録音を聴いたらそう思うけれど、この日のペソンの音楽は叙情的で、奏法によっては、音と言うより空気が揺れる感じやパフォーマンスという動きにも係わらず、それが音楽に不可欠な要素のようになっていて、その美しさに惹きこまれました。個人的にはペソンの初期の作品を扱った第2部が好みで、聞いてたら一瞬のうちに時間が過ぎていました。第3部は、私を含めて聴衆側に疲労感が出てきたのか、若干分かり難い部分(聞くのがシンドイ)もあったけれど、演奏者の皆さんの集中力はなかなかでしたねー。

ちょっと話がそれますが、私は前から酷い合唱を聞いた時などに「途中から無調だった」とバカにしてるんですが、それは本当の無調の音楽に失礼だなあ、と思ったのでこれからは言い方を変えようと思います。
「調性感がなくなって雑踏でシュプレヒコールしてるみたいだった」ってのはどうでしょうか?(笑)それか「合唱じゃなくてSpoken Words パフォーマンスでしょ?」ってのはどうだろう。

【第1部】講演会 13:00 - 15:00
「ペソンの音楽について〜代表3作品とその変遷など」講師:ニコラ・モンドン

【第2部】ペソン作品展 I (1990年代前半の作品) 15:40 - 17:00
Gerald Pesson /
Le Gel, par jeu (1991) fl, cl, hrn, marimba, vn, vc (日本初演)
Recreations francaises (1993/95) fl, ob, cl, vn, vla, vc
La Lumiere n'a pas de bras pour nous porter (1994/95) pf
Mes Beatitudes (1995) pf, vn, vla, vc

【第3部】ペソン作品展 II(1990年代後半-2000年代)18:30 - 20:30
Gerald Pesson /
Branle du Poitou (1997) pf & fl, ob, bass cl, hrn, vn, vla, vc, cb (日本初演)
Nebenstuck (1998) cl, st. quartet (日本初演)
Cinq chansons (1999) mezzo-sop, fl, cl, vla, vc, pf (日本初演)
Vexierbilder II (2003) pf (日本初演)
Cassation (2003) cl, vn, vla, vc, pf (日本初演)