【2009/08/07(金)】バルトの響き−エレルヘイン少女合唱団@ザ・フェニックスホール

maru20042009-08-07


行ってきましたフェニックスホール。
最近はどのコンサートとも、金曜でも平日公演は動員が厳しいことが多いですが、この日は行ってビックリ。2階席までほぼ満席でした。親子券もあったためか入場する際には小学生くらいの子供も結構いたので、静かに演奏聴けるのかなあ?と心配しましたが、2階席で1〜2度声が聞こえた他は気にならず、行儀の良い子供たちでした。それよりも大人のほうがね…、後で触れるけど。

プログラムは2部構成で、楽曲的にはそれほど変化はありませんが、衣装は変えてました。1部は画像にあるような濃紺で実はウェスト部分がシースルーな衣装。2部はチラシ画像にある赤い民族衣装。
[:W150]
少女合唱団といっても高校生くらいの年齢なんでしょうか?見た目は大人に見えました(来日情報によると15〜20歳だそうな)。それで、なんだか凄くかわいいんですけど(笑)、路線としては川瀬智子the brilliant greenみたいな感じか?たぶん髪型のせいだけど…。
指揮者のティーア=エステル・ロイトメさんはラスボスな風貌なんですが、厳しく見えて実は笑いのセンスがある感じ。

全く予習してなかったので、演奏聴くまで不安でしたが、最初のオルバーン「ミサ第9番」より2曲、ホルストの「アヴェ・マリア」を聴いて、ああーこれは良い!と思いました。技術的な部分では、先のプロムジカのような頭声で幼い声で倍音ガンガン超絶曲も余裕で歌う、というのではなく、楽曲によってはバラつく部分もあったり、聴き手にずっと集中力を強いるような演奏ではありません。演奏の印象は、フランス的な音といったらよいのか、キラキラしてましたね。表情豊かで聴いていて心地よいですし、美しさに陰影(ドビュッシーのようなニュアンス)が感じられるのが素晴らしい。それとディナーミクが凄まじいです、喉つぶすんじゃないか心配になるほど。同じ女声合唱団でも民族によってこれほど演奏傾向が違うのはビックリ。
ちなみに、これが来日スケジュールの最終公演だったようで、北海道(指揮者のロイトメさんが交流の深かったエストニアの方の墓参も兼ねて)から東北、東京、和歌山、広島と周り、大阪で、翌日に関空から帰国。演奏、移動、歓迎会など忙しかったでしょうね。
コンサートは20分の休憩を挟みアンコール終了まで2時間、アンコールは4曲くらいだったかな?拍手が続いたこともあって先生もノリノリで大盤振る舞いでした。そういえば、フェニックスホールは本編の演奏が終わるとステージ後方の壁が上がって夜のビル街が見えますが、舞台上の彼女らもオオーと振り返って見ていました(笑)。アンコールで歌った「故郷(ふるさと)」は変わったアレンジだったんだけど、あれ誰の編曲でしょう?それと和歌山公演のアンコールピースだと思いますが「紀州の殿さん」、最後はソリストがタンバリンを持ってミュージカル?っぽい曲を歌って、最後は「キャー」と叫びながら退場。指揮者の先生を含めてとても楽しい演奏でした。

ところで、演奏は素晴らしいものでしたが、1階下手側に異様にフライング拍手する人、また、この日はプログラムと対訳が配布されたため、演奏中にそれらをめくったり、紙が折れる音が1階のそこら中でしてました。私が神経質なのかと思ったら、音のする方を振り返って気にしている人が多かったので、やはり雑音だったのでしょうね。以前どこだったか、バッハのマタイかヨハネで、対訳をめくる時には音に注意するよう事前に注意していたホールがあって感心した記憶がありますが、集中して聴いていたら歌詞なんか読む必要ないんだけどなあ。だいたい読んでどうする?演奏終わったら忘れちゃうくせに(爆)なんだか、演奏内容に関わらずブラボー言うために会場にきていたっぽい人もセンター付近にいたりで、よう分からん客層でした。8割以上は真剣に聴きにきた客だったと思うけど。

物販は、絵はがき、マグネット、人形などのエストニアのグッズ類と今回の演奏曲が入ったCD。下の前回?の来日記念盤と最近リリースされた輸入盤が2枚。これはオルバーンやトルミスが収録されていましたので、両方とも購入。

いやー、これは行って良かった。次回の来日時にも是非行きたいです。

ESTONIN CHORAL MUSIC
Arvo Pärt
Arne Mellnäs
Veljo Tormis
Cyrillus Kreek
Gustav Ernesaks
トルミス作品を中心にペルト、メルネスなども収録
2009年7月にリリースされたばかりの新作
GYÖRGY ORBÁN. MISSA NONA
PEETER VÄHI. GREEN TĀRĀ
オルバーンのミサ第9番がお勧め!
2008年発売

妖精たちの歌声~合唱の国エストニアの森から~妖精たちの歌声~合唱の国エストニアの森から~
エレルヘイン少女合唱団

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追記:
下記の内容にある「関口知宏(西村英将編):声」ってのが気になって調べてみました。
関口知宏ってフレンドパークの息子でしょ?と思ったら、彼のNHKの番組『http://www.nhk.or.jp/fjpn/:TITLE=関口知宏のファーストジャパニーズ』という番組に出演した人っぽい。
これか?→http://www.nhk.or.jp/fjpn/0809/fjpn.html:TITLE=
DVD化もされているようですねー、うーん気になる。再放送しないかなあ。

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バルトの響き−エレルヘイン少女合唱団
 
「歌う革命」から20余年。
エストニア発、天使たちのハーモニー。
 
北欧の内海・バルト海。南東にあるエストニア共和国旧ソ連末期、国民的合唱祭により民族自決の決意を示した“歌の大国”です。その代表格が少女合唱団。北欧の自然そのままの透明・淡彩のハーモニーをお楽しみに。
 
 
座席 全席指定
出演者 エレルヘイン少女合唱団
料金 おとな ¥3,000 こども・学生  ¥1,000
 
 ※ファミリー特典 
  おとな券とこども・学生券を同時にお申込みいただくと、
  チケット価格が1割引となります。
  例:ご両親とお子様お一人 ¥7,000→¥6,300
 
 
出演 エレルヘイン少女合唱団、ティーア=エステル・ロイトメ(指揮)
 
曲目
ジェルジ・オルバーン:ミサ第9番より“グロリア”、“サンクトゥス・ベネディクト”
グスタフ・ホルスト:アヴェ・マリア
アルヴォ・ペルト詩篇122「エルサレムよ、平和であれ」
松下 耕:我らに平和を
グスタフ・エルネサクス:窓辺の鳩
キリルス・クレーク:おやすみマッツ坊や
ヴェルヨ・トルミス作品集
 歌を歌う人の歌
 子どもの頃の思い出
 合唱組曲 四季の図
  「春のスケッチ」より“夕空”、“サクラの木の下で”、
  “黄色い炎”、“晩春に”
  「夏のモチーフ」より “稲妻”、“夏の夜”
  「秋の風景」より “荒野を渡る風”、“寒い秋の夜”、“ヒース”
  「冬模様」より “冬の朝”、“ブリザード”、“オーロラ”
おじいちゃん、おばあちゃんの音の玉手箱―29の子ども歌より
紡ぎ車、からすはいたずらっ子
関口知宏(西村英将編):声
日本古謡(武満徹編):さくら ほか(予定)
※ウレ・サンデルによる女声合唱のための再編曲
 ショット・ミュージック株式会社から編曲許諾を得て演奏
 
エレルヘイン少女合唱団
エレルヘイン少女合唱団の前身は1951年、タリン音楽院の学生ヘイノ・カリユステ(1925-1989)が創設したタリン児童合唱団に遡る。69年、同国の全国合唱祭「歌の祭典」100周年を期に、団名を「エレルヘイン」と改めた(エストニアの野に咲くサクラソウ科の花の名に因む)。89年、現指揮者ティーア=エステル・ロイトメが就任、現在に到るまで率いている。エストニアの公式な演奏会では常に主要な役割を担う一方、旧ソ連時代から頻繁に国外公演を行い、またドイツ・フランス・スペイン・ユーゴ・イタリア・日本(宝塚)などでの合唱コンクールに優勝・入賞を重ねるなど、国を代表する合唱団として知られる。
2008年にはカナダ・パウエルリバー市で開かれているソウミーウ合唱コンクールで総合優勝を果たした。04年にはパーヴォ・ヤルヴィ指揮のCD「シベリウスカンタータ」により、エストニア国立男声合唱団、エストニア国立交響楽団と共に米グラミー賞の合唱部門最優秀賞を受賞するなど、録音部門でも高い評価を得ている。
この合唱団は6歳から11歳までと、12歳から高校生までの2グループから成り、団員数は100人を超す。週2回の練習のほか、楽譜読解や和声の学習、発声練習などに取り組んでいる。
レパートリーは教会音楽からクラシック、エストニア民謡、現代曲など幅広く、世界の作曲家の作品にも積極的に取り組んでいる。クラシックではペルト、トルミス、トゥールをはじめとするバルト海沿岸の作曲家を軸に、ドビュッシーホルストコダーイプーランクメシアン、ロジャースなど広範にわたる。日本の叙情歌や童謡も取り上げており、07年の天皇皇后両陛下エストニアご訪問の際には、武満徹編曲の古謡「さくら」を披露した。
 
ティーア=エステル・ロイトメ(指揮)
1933 年タリン市生まれ。70年ヘイノ・カリユステの下、タリン児童合唱団で指導を始めると共に、エストニアの学校教育でコダーイ式ドレミ音階手法を読み解くことを広めた。89年カリユステの後を継ぎ、エレルヘインの指揮者に就任。芸術表現の豊かさで、世界の人々を魅了する合唱団へ育て上げた。95年の初来日以来、日本のファンも増え、過去3回、公演ツアーを行っているほか、全日本合唱連盟やさまざまな合唱団の招聘で講師としても来日、日本の合唱団に、魅力的な指導を施している。2008年には、「日本の音楽の発展と両国の友好親善に寄与した」として、外国人叙勲・旭日小綬賞を受章している。
 
後援:
駐日エストニア共和国大使館
EU・ジャパンフェスト日本委員会(国際青少年音楽祭)
日本エストニア友好協会

http://phoenixhall.jp/index.html