【2009/09/06(日)】堂島リバービエンナーレ2009『リフレクション:アートに見る世界の今』@堂島リバーフォーラム

maru20042009-09-06


新ABCの並びにある堂島リバーフォーラムで2009年8月8日(土)〜9月6日(日)まで開催されていた「堂島リバービエンナーレ2009」に行ってきました。いやー、最終日だったけれど行って大正解!
以下の内容を見たら分かるように、大阪らしからぬ企画内容ですが、とても楽しめました。隔年開催ということで、再来年が楽しみです。

「堂島リバービエンナーレ2009」は堂島川のほとりに位置する堂島リバーフォーラムが隔年で開催する現代アートの祭典です。第1回目の今回は、『リフレクション:アートに見る世界の今(Reflection : The World Through Art)』と題し、南條史生(森美術館館長)がアートディレクターを務めたアジアにおける最大級の国際美術展シンガポールビエンナーレ」(第1回展 2006年、第2回展2008年)の出品作品の中から政治的、社会的、文化的な問題提起を行う選りすぐった作品、26点を紹介します。いま世界は、金融危機のみならず、民族や宗教に根ざした紛争あるいは貧困の問題などに直面していますが、こういった諸問題を含めて多角的な視点をもって地球を見渡すと、それらが地球環境にも大きく影響していることがわかります。アートはそうした問題の存在に目を向けさせ、視覚的な魅力を持って、私たちの心に訴えかけます。「世界の今」をリフレクトする現代アートグローバル化の時代に、日本は、そして私たちは、これからどこへ向かうのでしょうか。アートを通して我々の生き方について改めて考える機会となることを願っています。
 
* 主催=堂島リバーフォーラム
* 特別協賛=大和ハウス工業株式会社
* 協賛=株式会社ECC/オリックス不動産株式会社/関西電力株式会社/サントリーホールディングス株式会社/ヤマハ株式会社
コクヨ株式会社/アートコーポレーション株式会社/株式会社阪急コミュニケーションズ/京阪電気鉄道株式会社
株式会社アイプランニング/株式会社久我
* 後援=シンガポール共和国大使館/在大阪シンガポール共和国総領事館/ルクセンブルグ大使館/シンガポール政府観光局
大阪府/大阪市/財団法人大阪21世紀協会/水都大阪2009実行委員会事務局/阪神高速道路株式会社/朝日放送株式会社
朝日新聞社/株式会社FM802
* 協力=アインズ株式会社/ナショナル・アーツ・カウンシル/シンガポール/水戸芸術館現代美術センター/広島市現代美術館
森美術館/ミヅマアートギャラリー
 
アートディレクター=南條史生(森美術館館長)
キュレーター=窪田研二(インディペンデント・キュレーター) 企画協力=ナンジョウアンドアソシエイツ
 
参加アーティスト(予定): 会田誠(日本)、アルフレド&イサベル・アキリザン(フィリピン)、アクタン・アブディカリコフキルギス)、ジェーン・アレキサンダー南アフリカ)、イーラン・イー(マレーシア)、トマス・オチョア(エクアドル)、ホセイン・ゴルバ(イラン)、シュー・ビン(中国)、スーハ・ショーマン(パレスチナ)、ツェ・スーメイ(ルクセンブルグ)、レオニド・ティシコフ(ロシア)、ドリック・ピクチャー・ライブラリー(バングラディッシュ)、チャーリー・ニジンソン(アルゼンチン)、福田龍郎(日本)、セルジオ・プレゴ(スペイン)、イサック・ベルビック(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、ツーニェン・ホー(シンガポール)、松蔭浩之(日本)、ファハド・モシリ&シリン・アリアバディ(イラン)、フリオ・セサール・モラレス(メキシコ)、アイザックモントーヤ(スペイン)、クレア・ランガンアイルランド)、ディン・Q・リー(ベトナム)、リー・キーボン(韓国)、クリスティナ・ルーカス(スペイン)、ジョシュア・ヤン(シンガポール) (順不同、五十音順)
 
堂島リバーフォーラム 大阪市福島区福島1-1-17
開館時間=11:00-20:00(会期中無休)
入場料=一般 1000円 / 高校・大学生・シニア(60歳以上)700円 / 小・中学生 500円
展覧会チケットはチケットぴあでもご購入いただけます(Pコード 688-779)
交通案内=阪神本線「福島駅」・京阪電鉄中之島線中之島駅」より徒歩5分/地下鉄四つ橋線肥後橋駅」・JR東西線新福島駅」より徒歩8分
※ホールには、駐車場はございませんので公共の交通機関をご利用ください。

http://www.dojimariver.com/topics/index.html

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1階から入場するとこんなパネルが、グッズ売場ではロゴ入りのカップ、タオル、トート、Tシャツなどいろいろ売っています。図録は2006年と2008年のシンガポールビエンナーレ出品作から26の作品を選んで公開、ということで、その時のものがありましたがちょっと高価。三千いくらとか、そういう感じだったので、300円で売っていたガイド冊子を購入。あ、ストラップ(500円)も買ってみた。
さて、ここはギャラリーというよりも多目的ホールなので、仕切って展示していますが、照明と音響が素晴らしいです。やはりこれは協賛会社のおかげなのでしょうか?映像の鮮明さ、展示物の発色の良さ、音響もスピーカーが良いのか、とても聴きやすいです。

↓展示図
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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で写真撮影も許可されていましたので、いくつか公開したいと思います。(画像はクリックで拡大されます)

アイザックモントーヤ『ファンタスマス』
■配布された赤と青のフィルムを通して見ると異なる画像が浮かぶ作品
[:W300]※屋外壁面に設置
Isaac Montoya
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ツェ・スーメイ『語られた多くの言葉』
■泉の中はインク。汚れるので近づかないよう注意書きあり
[:W300]
Su-Mei Tse
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


リー・キボン『バチェラー 二重の理論』
■水槽の中を哲学書が浮遊する不思議な作品。生命体のようだった。
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Ki-Bong Rhee
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ファハド・モシリ&シリン・アリアバディ『スーパーマーケット営業』
■展示の照明が上手い!発色が良いです。
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Farhad Moshiri & Shirin Aliabadi
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ルフレド&イザベル・アキリザン『アドレス(プロジェクト:アナザーカントリー)』
■遠くからでも目を引く作品、近寄って見てさらにビックリ。
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[:W300]※内部写真(部分)
Alfredo Juan Aquilizan & Maria Isabel Gaudinez-Aquilizan
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


シェー・ピン『魔法の絨毯』
※奥側はAlfredo Juan Aquilizan & Maria Isabel Gaudinez-Aquilizanの作品です。
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Bing Xu
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ディン・Q・リー『農民とヘリコプター』(ビデオ) 『ヘリコプター・インスタレーション
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Dinh Q. Le
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ジョシュア・ヤン『超ひも理論の不可能性[カラフル]』
■2階の回廊の壁面に描かれた作品。これはずっと残るんでしょうね。文字の内容が面白いです。
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[:W300]※部分(開始点)
[:W300]※部分(終点間近)
[:W300]※部分(終点)
Joshua Yang
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


チャーリー・ニジンソン『漂流する人々』(ビデオ)
■2階の通路から天井から下げられた3面スクリーンを眺める。胸を打つ作品。
[:W300]※3面スクリーン
Charly Nijensohn
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


ジェーン・アレキサンダー『真理と信義、そして正義』
■4階にある2作品のうちのひとつ。これ、床に土が敷かれています。
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[:W300]※部分
[:W300]※部分
[:W300]※部分
Jane Alexander
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


レオニド・ティシコフ『プライベート・ムーン』
■ふと見たら会場の外にムーンがいました。
[:W300]※部分
[:W300]※屋外設置
Leonid Tishkov
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています


会田 誠『日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ』(ビデオ)
■観ている人から笑い声がこぼれた作品。悪乗り?いいえ作品ですよね。
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Makoto Aida
Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本ライセンスでライセンスされています

この他にも、モーツアルトのレクイエムが使用されて印象的なスーハ・ショーマン「神の御名において止めよ」は、パレスチナ問題を扱っていたり、トマス・オチョア「シジフォスの神話」は自爆テロに関するインタビュー集だったり、ビデオ・インスタレーションに興味深いものが多かったです。
この会場のまん前、川を挟んだ向こうは、今はコルテオのテントがある大阪市立近代美術館の予定地ですが、早くここに美術館が建って、国立国際美術館ともども美術関連のイベントができたりして欲しいです。大阪港のサントリーミュージアムが閉館を発表しましたが、何にも無いところに箱ものを作っても人は行かないと思う。やはり他の文化施設と連動させて人を呼び込まないと文化が廃れてしまうと思うんですよね。ちょうど中之島の整備が進んでいるし、新フェスティバルホールも数年後には出来るから、肥後橋から中之島あたりの一帯を文化的なゾーンにすれば人も集まると思うんだけどなあ。

ということで、とても楽しい時間でした。