【2009/09/05(土)】「ウィリアム・ケントリッジ ― 歩きながら歴史を考える: そしてドローイングは動き始めた」@京都国立近代美術館

maru20042009-09-05


久々の京都。昼特きっぷの期限がこの日だったことあり昼過ぎに京都へ。残暑厳しく日中は30度オーバーで、移動するうちに体力消耗。前売り券を買っていたのでルーブル美術館展に向かったら人、人、人。
正面から見たらたいしたこと無さそうだったんですが、土曜日の午後3時前で60分待ち表示。建物の中から並んで、左手にテントが続いて、それが途切れたら日傘が貸し出されていて、その列が3重くらい?
ディズニーかよっ!?

↓ある程度のかたまりで入場させるので、ちょっと見た感じはすいてるみたいでしょう?
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↓しかし建物を左に回り込むと、このありさ
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ということで、数秒で諦めて道を挟んだ向かいの近代美術館へ。
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前日に始まったばかりの展示ですが、若い目の客層がある程度入っているもののゆったり観賞できます。つーか、どちらかというとガラガラ?

んで、ドローイングって何?と思ったかたは以下の説明をどうぞ。ま、手書きの絵をコマ撮りしてアニメーションみたいになってるものです。

■ウィリアム・ケントリッジ――歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……
  
■会期  平成21年9月4日(金)〜10月18日(日)
    
ウィリアム・ケントリッジ(1955南アフリカ共和国生、ヨハネスブルグ在住)は、1980年代末から、「動くドローイング」とも呼べるアニメーション・フィルムを制作しています。木炭とパステルで描いたドローイングを部分的に描き直しながら、その変化を1コマ毎に撮影する気の遠くなる作業により、絶えず流動し変化するドローイングを記録することで生まれる彼の作品は、独特の物語性と共に集積された行為と時間を感じさせる重厚な表現となっています。
ケントリッジの作品は南アフリカの歴史と社会状況を色濃く反映しており、自国のアパルトヘイトの歴史を痛みと共に語る初期作品は、脱西欧中心主義を訴えるポストコロニアル批評と共鳴する美術的実践として、1995年のヨハネスブルグビエンナーレや1997年のドクメンタ10などを契機に世界中から大きな注目を集めるようになりました。しかし私たちは、その政治的外見の奥で、状況に抗する個人の善意と挫折、庇護と抑圧の両義性、分断された自我とその再統合の不可能性などの近代の人間が直面してきた普遍的な問題を、彼の作品が執拗に検証し語り続けていることに注目すべきでしょう。「石器時代の映画制作」と自称する素朴な制作技法に固執しながら、ケントリッジは近代の物語生成の原点を、そしてヨーロッパ植民地主義の病理の原点を作品を通じて探求しているのです。精緻なセル画アニメやCGが主流である現代のアニメーション制作の状況の中で、ケントリッジの素朴な技法は対極に位置していますが、強靱な知性に支えられた力強い表現は、ドローイングのコマ撮りアニメーションが未だに有力な表現手法となり得ることを証明しており、1990年代中頃からその作品は、世界中の若い世代の美術家たちに大きな影響を与え続けています。
今回の展覧会は、京都国立近代美術館とウィリアム・ケントリッジとの3年間にわたる緊密な協同作業を経て実現されるもので、日本では初の大規模な個展となります。南アフリカの歴史を扱った初期の代表作《ソーホー・エクスタインの連作》(1989–2003)から、ショスタコーヴィチのオペラ『鼻』を題材にした最新作の《俺は俺ではない、あの馬も俺のではない》(2008)まで、フィルム・インスタレーション3点を含む19点の映像作品と、36点の素描、 64点の版画により、ウィリアム・ケントリッジという私たちの同時代の美術家の作品とその知的挑戦の全体像を紹介します。

http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2009/376.html

いやー、これは良かった!お勧め!
展示はドローイングなどの絵画作品と映像作品が交互に配置されていて観やすいです。
ただし、映像が多いので来場されるかたは時間の余裕を持っていったほうがいいと思います。初っ端の映像は5つのスクリーンで同時に映写して、貸し出されたイヤフォンのチャンネルを切り替えて観るんですが、だだっ広い部屋にはイスが無いので、床に座って見る人多数。立って観れないことはないけれど、5つのスクリーンの映像を全部みると1時間近く掛かってしまうので、この時点で私は消耗気味…。
これ以降の展示室にはイスもあって、映像をゆったり見ることもできますが、全部しっかり楽しむには2時間くらいは必要です。この企画展は3階で、4階でも関連展示があったのですが、疲労困憊のため次回にパスしてしまいました。(半券提示で会期中はみることができるそうです)
あとで気づいたんですが、大阪の国立国際美術館の友の会に入ってると無料で1回観れるんですね orz…。普通に850円払ってしまったよ。
ま、次回もう一度観ることにしましょう。ルーブルも行かなきゃいけないし。
グッズは図録のみで2000円。展示そのものには解説が少ないですし、音声ガイドも無いので、入場前に1階のショップで図録を買って、内容をチェックしてから展示を見たほうがいいかもしれません。
特に映像は哲学的な内容のものもあるので、ただ観ただけでは「何のこっちゃ?」というものもあるかも。うーん、ルーブルの混雑が結果的には良かったのかも。
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さて、この展示は珍しく関西先行で以下の巡回予定です。
 
東京国立近代美術館 平成22年1月2日(土)〜2月14日(日)
広島市現代美術館 平成22年3月13日(土)〜5月9日(日)