【2009/09/22(火・祝)】『男声合唱団アルシェ第4回演奏会』@京都コンサートホール 大ホール

maru20042009-09-22


チケットもらったので行ってきました。アルシェは産グリのOB合唱団です(京都産業大学GleeClubOB合唱団)。自由席だったので気持ち早めに行くと、やはり京都コンサートホールのグルグル通路は長蛇の列。幸い聴きやすい座席を確保できましたが、とても動員が良かったですね。1階は埋まって2階以上も満席ではないけれど、ここでここまで入るのは凄いです。この演奏会では、今年3月に亡くなった吉村信良先生が指揮する予定だったステージもあって、なんとなく追悼コンサートの雰囲気もあり、舞台後方のバルコニー席には在りし日のお姿のパネルが飾られていました。
さて、演奏会を振り返りましょう。

第1ステージ 「雪と花火」指揮:岡本敏幸
 このステージが一番出来が良かったと思います。やはり多田武彦は素晴らしい。
第2ステージ 「花に寄せて」指揮:曽田俊和 ピアノ:伊吹元子
 衣装が四色?の半袖シャツに着替えて登場だったんですが、着替えのために観客が待っていた時間を考えると、別に1ステと同じ衣装でも良かったような気もしたり…。演奏は良かったと思うのですが、ピアニストは相変わらずですね。いろんな意味で期待を裏切らず、という感じ。
第3ステージ 「月光とピエロ」指揮:北田 尚
 本当はこのステージを吉村先生が振る予定だったそうです。金沢メンネルコール、ノースエコー、京都木曜会、それと徳島男声合唱団「響」の方でしたか、総勢100名超の大合同。この大合同のアンコールとして「雨」も歌っていましたが、ちょっと舞台上で泣き過ぎだったような気がするなあ。気持ちは分かるけど、そこは大人だから抑えて欲しい気がする。
第4ステージ 「アルシェ セレクション」
 吉村先生との思い出の楽曲を演奏、という趣向。
 新実徳英/「やさしい魚」より「鳥が」
 メンデルスゾーン/Beati Mortui
 多田武彦/「草野心平の詩から・第二」より「オホーツク」
 新実徳英/「祈りの虹」より「ヒロシマにかける虹」
 信長貴富/「新しい歌」より「一詩人の最後の歌」

 最後に歌った「一詩人の最後の歌」は、お馴染みアンデルセンの作ですが、これを「死にゆくものから残されたものへの言葉」として歌うのは、個人的にとっても違和感がありました。これって神への賛美と感謝じゃないんでしょうか?なんだかそれはいくらなんでも安いと思う。
アンコールは、現役の学指揮が「六甲おろし」を指揮して終演。ロビーコールもおなじみの曲が歌われました。

まあ、今回は追悼の意味合いが強いから仕方ないけれど、私はそういうのはちょっと苦手です。しかし、演奏は最近の学生なんかよりもよっぽど良いのでは?と思うようなパワーのある男声合唱で、久々にちゃんとした男声合唱を聴いた感じがしました。少し要望を挙げると、OB合唱団だから難しい問題があるんでしょうけど、指揮者は上手い人だけにして欲しいなあ、各世代から満遍なくってのはいらないんじゃないかな?それと、お一人の歌い方がすんごく気になってしまった。歌い出しは指揮者を見てるけれど、徐々に真正面に向いて、最後は2階席を眺めるように、ってのが客席から見ていると、合唱団から浮いていてソリスト状態に見えてとっても邪魔でした。リハ中じゃないからさあ…。
ということで、いろいろ書きましたが、このレベルの演奏を続けていくのは本当に努力がいることだと思うので、これからも期待したいと思います。