【2009/09/26(土)】G2プロデュース『静かじゃない大地』@シアタードラマシティ

maru20042009-09-26


行ってきましたドラマシティ。大阪は2回のみの公演で、この土曜ソワレと日曜マチネのみなんですが、なんだか売れ行きが芳しくないようで、日曜はともかく土曜はアフタートークもありますよ!と必死の動員ぽかったです。800席ほどのドラマシティは後ろの数列は空席でした。たぶんこれでも相当の努力をしたと思われます。やっぱ6300円てのがネックなのかな?
さて、舞台は18:00開演で休憩無しの2時間10分。大麻をオオヌサと言い換えてタイムリーなネタを扱っていて、笑いだけじゃなくサスペンスの要素もあったりと、時間が経つのを感じさせないストーリー展開。舞台上はロッジのセットがあるだけなんですが、上手下手の扉の向こうや、奥側の窓の外など、空間の広がりを感じますし、照明の切替で時制も変化させていたのは面白かった。それから、役者さんが皆さん上手いですねー、だから飽きさせないのかもしれないです。個人的には、福田転球さんのヤクザ役は、あまりにも役が固定しすぎるのはどうなんだろう?と思ったり。演技は魅力的でいいんだけどなあ…。それから、ネタバレになるから書きませんが、オチへの展開がどうなんだろう?別にバッドエンド、ハッピーエンドどっちでもいいけれど、あまりにも唐突な感じでフィナーレに持っていかれたので、最後だけが中途半端というか、素人臭いというのか…。
DVDが発売されますので、興味がある方はご覧になって下さい。
終演後のアフタートークは20分ほどでしょうか、主演の佐藤アツヒロ田中美里、農家の夫役の諏訪雅と福田転球の客演コンビの4名でした。佐藤アツヒロさんがトークで関西弁ぽくなっていたんですが、それほどインチキ臭いイントネーションで無かったのでちょっと調べたら、小学校低学年までは京都の八幡市で育っていたのですね。このトークは相当面白かったので土曜日に行って正解でした。
なんやかやと書きましたが、楽しめました。DVDはどうかなあ、ちょっと保留。グッズ類は、プログラムが1000円(だったと思う)や過去の公演DVDが売ってました。

G2produce#10『静かじゃない大地』
東京公演 本多劇場 9月12日(土)〜23日(祝)
大阪公演 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 9月26日(土)〜27日(日)
福岡公演 西鉄ホール 10月3日(土)〜4日(日)
 
作・演出:G2 出演:佐藤アツヒロ/田中美里/久ヶ沢徹/福田転球/辻修/内田慈/浜田信也/諏訪雅/池谷のぶえ/久保酎吉
 
【ストーリー】
 物語の舞台は、とある農村。斜面に建てられたロッジ。
 いわくありげな男女、坂崎(佐藤アツヒロ)と美潮(田中美里)は、村長(久保酎吉)とともにこのロッジを借りて、斜面の下の畑で或る植物の実験栽培を始めようとしていた。坂崎(佐藤)には過去に秘密があるのだが、美潮(田中)と村長(久保)はそれを知りながら坂崎にはそのことを隠している様子。
 そこに紛れ込んできたのが、暴力団組員の山田(福田転球)。彼は涼(内田慈)を誘拐したのはよかったが、肝心の身代金が奪えないまま逃避行を続けていた。この二人を村長は応募してきた農業体験希望者だと勘違いするのだが、山田から逃げ出したいはずの涼はなぜか山田と一緒に農業体験者になりすましてしまう。彼女にもなにか理由がありそうである。

 そこに、畑を貸している斉藤夫婦(池谷のぶえ、諏訪雅)が怒鳴り込んでくる。
「村長、ひどいじゃないですか、私たちの畑に植えているのは『オオヌサ』じゃあないですか!」
二人が怒るのも無理はない。『オオヌサ』は法律で栽培と所持が禁止されている。葉はドラッグになり、芸能人や力士が逮捕されて報道を賑わせている悪名高き植物なのだ。

 だが、村長たちは説明する。
「これは政府の許可を得た、繊維を作るための実験栽培なのだ。この品種の『オオヌサ』はドラッグにはならない」と。
そこへ広告代理店の山本(久ヶ沢徹)もやってきて「一流企業が資金援助をしてくれる」と斉藤夫婦を説得する。斉藤夫婦はいくら産業用だからといって『オオヌサ』に違いはないと渋るが、山本に弱みを握られてしぶしぶ了解する。

 さらに『オオヌサ』を日本でも解禁にしようという運動を展開しているグループの一員である長谷川(辻修)や、農業体験者を取材したいとやってきた雑誌記者・日下(浜田信也)も現れて、状況はさらにややこしくなっていく。
 坂崎(佐藤)は、広告代理店の山本(久ヶ沢徹)と内密に何かを進めている。
 美潮(田中)は坂崎の中三のときの同級生だというが、どうも怪しい。村長(久保)は美潮に「坂崎くんにすべてを話してはいけない」と釘を刺している。
 山田(福田)は、栽培されているのが『オオヌサ』だと聞いて、なにやらほくそ笑んでいる。
 長谷川(辻)や日下(浜田)にも別の目的がありそうだし、円満に見える斉藤夫婦(池谷、諏訪)にも抱えている問題がある。
 一触即発の人物関係のなか、彼らは表面上はにこやかに農作業に取り組み始める。
 そんなある日、誰ともなく「うちで育てている『オオヌサ』は吸ってもラリったりしないんでしょ?」「そうだよ」「本当に?」「じゃあ、試しに吸ってみましょうか」という話になり……。

 ここからは事態は急展開、それぞれの秘密が明かされて、笑顔の下の本音が見えだしたとき、ロッジは修羅場へと転じていく。
 そして大詰め。坂崎(佐藤アツヒロ)は、自らの秘密に直面し、そこに美潮(田中)の謎がからまって、絶体絶命の大ピンチ。そのピンチを救ったのは意外なことに……。