【2009年04月30日(木)】20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展@兵庫県立美術館

前日が良かったので、どこか行こうと思ったら、明らかに混みそうなのがありました。「ピカソとクレーの生きた時代展」、これはGWに入ったら酷いことになるだろう、と思い神戸に向かいます。
入場料は1,300円で、美術館サイトの割引券で100円引きでしたが、相変わらずここはコレクション展は別料金です。ほとんどの美術館て特別展の料金で見れるような気がするんだけど、セコイよ兵庫県立美術館

相変わらずの地獄の階段。もちろんほとんどの来場者はエレベータ使用。

会場に入ると平日の割にはそこそこの混雑。しかし、ガキが多いぞ!しかも昨年のシャガール展と同様しゃべってるアホが多い。それに、ここは構造が致命的なんだけど、受付係員の声が階段ホールに反響してまる聴こえ。音声ガイドも会場内で勧めてるから、最初の作品をゆっくりみることが出来ない。ここって本当に客のレベルが低いんだけど、どうしてなんだろう?この日はさすがに係員が注意するケースも多かったような気がする。
さて、音声ガイドを借りてゆっくり観賞。

この展示は、ドイツのデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が所蔵する西洋近代美術のコレクションを展示棟の建設タイミングで引越し展示するもので、表題のピカソとクレーにとどまらず名作揃い。以下の各テーマに分けて展示しています。

■展示テーマ
第1章:表現主義的傾向の展開
第2章:キュビスム的傾向の展開
第3章:シュルレアリスム的傾向の展開
第4章:カンディンスキーとクレーの展開
 
■会期
2009(平成21)年4月10日(金)〜5月31日(日)
月曜日休館(ただし5月4日〔月・祝〕は開館し、5月7日〔木〕休館)
 
■開館時間
午前10時−午後6時(毎週金・土曜日は午後8時まで)
入場は閉館の30分前まで
 
■観覧料
一般 1300円、大・高900円、中・小500円

第1章では、フォーヴィスム(野獣派)の作品や、シャガールの「バイオリン弾き」やベックマンの「夜」などが圧倒的。第2章は目玉作品でもある、ピカソの「鏡の前の女」が素晴らしいのですが、タイトルに掲げているものの、ピカソだけでなく他の作品の素晴らしさに驚きました。2つめの展示室では、第3章のシュルレアリスム(超現実主義)作品が展示されていますが、エルンスト「揺らぐ女」は何度も戻ってみてしまう魅力があり、マグリット「とてつもない日々」も惹かれます。
最後の第4章は、カンディンスキーの3点がミュンヘン市立レンバッハハウス美術館から特別出品されていますが、それよりも、クレーのコレクションが凄いです。初期から晩年まで『クレー展』という感じ。「リズミカルな森のラクダ」、「黒い領主」、「ベルリンのまぬけ」、「助けを呼ぶ声」など、作風の変化ともども本当に行って良かったと思う内容でした。2時間以上掛けてゆっくり観賞するころにはガキも喋るおばはん達も帰ったようで、場内はじっくり観賞する人が静かにゆったりと座ったり、ととても良い雰囲気。この感じなら天井の高い空間もメリットになるんですが、レベルの低い客であふれると共鳴して逆効果ですね。
今回は久々に音声ガイドを使ったのですが、現代作品なんかだと別にいらないかなあ、とも思うけれど歴史や背景を知りたい場合は音声ガイドはなかなかいいです。展示室を出ると売店があり、図録(ピカソまたはクレーの表紙)が2200円、ハガキは価格違いで数種類、クリアファイルは300円だったかな?絵ハガキピカソの「鏡の前の女」が完売で再入荷未定でした。クレーは展示には無かった「天使シリーズ」がセットで売ってたり、タオル、エコバッグなどもいろいろ。
あとで図録を見返してみたのですが、圧倒的に実物のほうが発色が美しいので、来場をお勧めします。ちなみに私はクレーの「リズミカルな森のラクダ」が表紙になったほうを買いました。これも、行って損なしですよ。