【2009年06月06日(土)】杉本博司 歴史の歴史@国立国際美術館


会期も終わるギリギリに行ってきました。最終の土日ということもあって昼過ぎ2時頃の美術館は盛況。もう諦めているのですが、やはりウルサイし、カップルの男がしょうもない薀蓄を語っているのにも辟易。両性具有の解剖記事の英文を、オレは英語が分かるぜ風に立ちはだかって読んでる不倫風カップルのオッサンとかウンザリ。それと、女性のヒールってのはなんとかならないものでしょうか?歩き方の問題もあるけど、カツカツとだらしない音を立てて歩くのがどうもねえ…。
さて、今回の展示は地下2階と3階の両方を使ったもの、美術館サイドとしてはスペースの大きさを活用した展示ってことらしいけど、やっぱりここは「もうちょっと広かったら良かったのに」と思う規模ですよね。もちろん広いほうなんだけどさあ、惜しいなあ。

さて、この会場の北側の展示スペースは奥にズドーンと深いのですが、B2では緩やかに湾曲した壁面に《海景》という世界各地の海を撮影したモノクロ作品を展示。これってマーク・ロスコみたいですよねー。これは本当は静かな空間で観賞したかったな。個人的には、アバンギャルドチャイナ展で同じスペースで展示していた、楊 福東(ヤン・フードン)のビデオ・インスタレーション《断橋無雪》とかすんごく雰囲気が良かったから、これも空いてたらもっと良かったと思う。
B3では、放電現象を記録したライト・ボックス式の《放電場》が展示。奥側はミラーになっていて実際以上の奥行きが感じられる作品。ミラーの一枚は作者の意図で割られてくもの巣のような日々が走り、対面側の角にはマン・レイ撮影のマルセル・デュシャンのポートレイトが額に入れられ、表面のガラスは銃弾のあとのように3ヶ所がひび割れ、対角線のすぐ近くには雷神像、次の展示室にはリチャード・ハミルトン作のデュシャンの作品「大ガラス」の模作というぐあいに、ちょっと説明が過ぎる感じはあった。特に、放電場の展示の直前は人体解剖図だから、どうしても放電のイメージは毛細血管につながってしまうので、もう少し自由に見させて欲しいなあと思った。それにしても展示物の量は圧巻で、よくぞここまで、と感心しましたよ。

ところで、この美術展、動員がもう一つっぽかったんですが、チラシに問題があるんじゃないでしょうか?(上のボードと同じデザインね)これって、展示を見たり、杉本博司を知る人ならともかく、何にも知らない人にとっては渋い仏教美術展みたいですよね?もちろん、宗教画や仏像の展示もあるけど、宇宙時代に関するコレクションとか、化石、写真作品など、あれだけ多岐に渡る素晴らしい展示を知る機会が無く終わった人が多かったと考えるともったいないですね。
ところで、今回は図録買わなかったんですが、6800円と高額だったから。この日は5000円の友の会一般会員に入会したんだけど、これなら2万払って特別会員になった方が図録付きだから得だったかなあ?と一瞬だけ後悔。そうそう、6月下旬からは、おそらくダダ混みするルーブル美術館展がB3で始まりますが、B2で同時開催の「やなぎみわ 婆々娘々!」がとても楽しみ。(公式サイトはこちら)今回は展示が無さそうだけど、エレベーターガールなどは懐かしい阪急百貨店の回廊が写っていていい感じ。新作のインスタレーションも楽しみだー。

帰りは川向こうのほたるまち・堂島クロスウォーク内にあるMamezo&cafe 中之島店に寄って大福を購入。

ひとつ160円。うーん、豆大福は悪くないけれど普通。ずんだは色は綺麗だけど味はもうひとつ。やはり京都のアレが食べたくなるなあ。ここの男性スタッフ、とても柔らかい接客でしたが、たおやか過ぎて若干"足りない"感じがしたのは気のせいか?(毒)