【2009年06月07日(日)】バンダラコンチャ ソロアルバム公演 「相思双愛」@富田林・すばるホール

maru20042009-06-07


近藤芳正ダンダンブエノから派生したプロジェクト。西宮の芸文センターでも公演がありましたが平日だから無理。関西唯一の休日公演のこちらを選んで富田林まで行ってきました。近鉄長野線て初めて乗りましたが単線ですよ!ビックリした。天王寺まで行って近鉄あべの橋から南大阪線?の準急に乗ると40分ほどで富田林の向こうの川西駅に。電車の中からも見えてたけど、ホームからも見える異様な建造物。なーんか万博公園系なんだけど、そういえばここは富田林、ああっ!あれか?PLの塔だっ!

いやー、サイズが凄まじいというか、富田林の皆さんはほとんどどこからでも見えると思うんですが、どう思ってるんでしょうねー。
さて、ホールのアクセス図を印刷していったので迷わず到着できたのですが、予想以上に住宅街というか、車でのアクセス前提なロケーションなので電車からだとこういうことになるんですね。阪急千里線から地下鉄御堂筋線の駅へ移動するような景色でした。(北摂住民は分かるかな?)

会場のすばるホールは案外きれいでビックリ。ホールは800席くらいでしょうか。時間があったので館内のレストランに行ったら出演する榎木孝明さんがコーヒー飲んでましたが、開演の30分くらい前まで関係者の方とゆっくりしてましたよ。大丈夫なの?と思ってたら、後で納得、今回は出ずっぱりじゃ無いのですね。

開場がちょい押しで、1時間前でなく30分前になったのですが、場内はほぼ満席。自治体の主催公演だから入場料がとても安価な4000円ということと、友の会やら教職員関係やら身内でチケットをさばいてたようです。普通の劇場では見かけない客層も多かった気がする。グッズはプログラムが1200円、ポストカードセットが500円、BGMにも使用された楽曲のCDが1000円だったかな?
さて、舞台セットは下手側と上手側で半分に分かれていて、向かって左手が壁に丸窓のある寝室でベッドが設えられており、壁には公演タイトルが照明で映されていました。右手は板張りで、後で分かりましたが、キッチンまたは書斎という設定。奥側は廊下っぽくなっていて、寝室の丸窓は設定により障子を閉めたり開けたり。ちょっと会場が大きすぎるような気もするけど、ギリギリかなあ。たぶんこれは500名規模くらいの小さい劇場の方が生声でいけるから良いと思う。キャパは大きいけどドラマシティとかね。
セットの説明がわかりにくいですが、この作品は2つの異なる原作をつないでおり(ミックスじゃなくて平行して演じられます)「四十回のまばたき」は辺見えみり、「春は馬車に乗って」は坂井真紀が主演、どちらも相手役は近藤芳正でした。チラシでは2つのカップルのようですが、榎木孝明は助演的な役割です。ですからセットも、大正時代は丸窓に障子があって松林がシルエットで映る寝室と、板張りの隣室。現代のほうはベッドのある寝室の丸窓の向こうは部屋。右手のフローリングのダイニングの向こうは玄関から通じる廊下、と微妙な変化でイメージを変えています。

さて、感想ですが、休憩無しの2時間ながら全く飽きることなく楽しめました。しかも最後にはジーン(´v`)。いやー、近藤芳正が上手い、坂井真紀も大げさだけど決して過剰でない演技が可笑しくて悲しくて、この2人のパートは素晴らしいエチュードでした。ストーリー自体は、辺見えみりとのパートがメインで進むのですが、生と死、喪失と再生、近藤芳正の演ずる男が全く違うキャラクターなのに最後は重なり、昇華するという良くできた展開でした。榎木孝明は、一見すると関わりが無さそうな役で、原作には無い要素もあったり、この役は必要なのか?という感じだったのですが、最終的には主演の行動や性格に影響を与え、舞台の良いアクセントとなっていました。辺見えみりは以前ドラマシティで観たサムシング・スイートの時と芸風が変わってないような気もするけど、まあ可愛いから許す、という感じ。
なお、「春は馬車に乗って」はパブリックドメインになっており、こちらで読むことができます。こんな短篇からうまいこと脚本を起こすなあ、と感心しちゃいました。いやー、これは本当に行って良かった。笑いあり、涙ありで素晴らしかったです。
次回公演も観たいなあ。

■バンダラコンチャ ソロアルバム公演「相思双愛」
 
ダンダンブエノを主催してきた近藤芳正が「ソロ活動」で芝居作りをスタート!
      双つの物語が交わることで新たな物語が産まれる。
                        これは、ある愛と命の物語。
 
 事故で妻を亡くした売れない翻訳家・圭司が、寒くなると冬眠する奇病を持つ義妹・燿子と2人で愛を育んでゆく「四十回のまばたき」(作・重松清)と、結核にかかった妻を看病する大正15年の夫婦を描いた「春は馬車に乗って」(作・横光利一)。時代も作家も異なる二つの原作を融合させて、新たな物語を構築する。
 
出演:坂井 真紀 辺見 えみり 近藤 芳正  榎木 孝明
原作:横光 利一「春は馬車に乗って」より / 重松 清「四十回のまばたき」より
脚本:倉持 裕(ペンギンプルペイルパイルズ) / 前川 知大(イキウメ)
構成・演出:近藤 芳正 / 桑原 裕子(KAKUTA)
音楽:アルケミスト&花れん
 
 
二つの原作が巡り会い、折り重なり一つの物語を紡ぎ出す。
別れと出会い、喜びと悲しみ、愛と憎しみ、
人は常に相反するものの間を行き来する・・・・・・。過去と未来(現在)も。

http://www.tondabayashi-culture.org/subaru/event/0906/banda.html