【2007/04/01(日)】ウィーン版ミュージカル『エリザベート』@梅田芸術劇場

maru20042007-04-01


行ってきましたエリザベート
最近ここにDVDに関する検索でこられる方も多いようなので、まずはネタばれ無しの公演情報から。

http://www.umegei.com/erz/main.html:TITLE=公式HPにあるように、主要キャストについてはトリプルキャスト(メインとアンダスタディか?)から公演1時間前に発表とのことです。1階劇場入り口と劇場内に掲示されており、キャスト表の配布はありません。皆さん携帯のカメラで撮影していましたが鮮明に撮るのは難しそうだったので、メモをとるかキャストリストのコピーを持っていってチェックした方がいいかもしれません。

公演時間は1幕、2幕とも70分、30分の幕間休憩を挟んで3時間弱です。まあトータル時間は当然ながらウィーン版と同じですよね。

座席種別は、1階と2階前方がS席(16000円)、2階後方と3階前方がA席(11000円)、3階後方がB席(7000円)だったと思いますが、リピート観劇でなくて初回だったら私は1階席をお勧めします。「見切れ」については、サイドブロックで2場面ほどセットが若干見えにくかったと思いますが、全く問題ないレベルです。まあ2階席センター最前列だったら話は別ですけど1階のほうがセットを楽しめると思いました。位置は1階20列が2階最前列あたりですが高さが舞台中ほどと同じくらいですので若干見下ろす感じになります。ちなみにリピーター向けに2000円引き入場券も売られてましたが1階の扱いは無く2階以上の座席のみでした。

グッズ類は1階席ロビーで販売しており、大まかに分けると3コーナーで、まずエリザ公演グッズコーナー(プログラムは2000円、TCA通販では完売のウィーン公演DVD(NTSC方式なので再生制限なし)が、おまけでDVDの場面(チャプター)が書かれた2つ折りのライナーとポストカード付きで5000円(これは大量に売れてました)、あとはポストカードやクリアファイル、ストラップ、Tシャツ、輸入盤CDなど。)それからウィーンのエリザグッズ肖像画のポストカードやアドレス帳、絵皿など多種多彩)あとはモーツァルト関連グッズ(ピアノの鍵盤デザインの「のだめ」っぽいバッグや音符柄の文具類が多種多彩)ということで見るだけでも楽しめますし、デザインが結構良いものが多いので買っている人も多かったです。

ということで、この公演行こうか悩んでる人にひと言、「行って損はないですよ!」いやー、もうストーリーも分かっているから感動しないと思ったら泣きましたもん。自分でビックリ。
やっぱ、もう一回くらい観にいきたいなあ。

〔追記〕2007/04/06
この日の配役は、ルキーニがGeorg Leskovich、ルドルフがMartin Markertで本役ではありませんでした(本役さんでなくても歌唱は素晴らしかったですよ)。ちなみに子ルドルフはDaniel Eckhoffです。

※以下はセットや演出に関するネタバレを含みます。



まず、見切れについては、「ミルクの場面の牛の模型」と「子供ルドルフの場面の人形」がサイドだと若干見え難いです。ただ、この小道具は上手と下手の両方に置かれていますし、本編とはそれほど関係が無いので問題ないでしょう。

また、今回の見ものはウィーンから持ってきたセットですが、跳ね橋や背景のスクリーン画は1階席の方が効果がハッキリ分かりますし、ハプスブルク家の紋章を形どった観覧車の場面では背景映像が動くので全面が見えた方が効果が大きいです。それにしても場面毎に変わる背景は圧巻で、いったい何枚バトンに吊っているんだろう?という感じでした。

なお、床面機構の完全再現は難しかったようで、油圧ジャッキの床ではなく、分割したセリで再現しています。このためチェスの場面などは、ウィーン版では八百屋舞台に照明入りのチェス盤だったのが、梅田では通常の床面に照明無しのチェス盤を敷いています。このため次の場面転換時に点滅しながら床が移動することはありませんが、変わりに2色のゆらぎのある照明で変化をつけていました。終盤のフランツヨーゼフの悪夢のシーンもV字型に折れた床を滑るのではなく、セリの昇降に飲み込まれる演出になっています。

あとは、2幕冒頭ルキーニ登場は上手客席(14列目の通路→センターブロック上手通路→舞台)ですが、客席は2階席以上から見え難く、身を乗り出すと2・3階は2列目以降の観客から全く見えないことに配慮したのか「キッチュ」の歌いだし前に早めに舞台に上がっていました。(グッズはばら撒いてましたよ。)また、チェス→マダムヴォルフの場面の間奏パート(バート・イシュルの場面と同じ旋律の曲)ではルキーニが日本語で歌っていました。これは最初分からなかったんですが「あれ?日本語?」と徐々に場内が気づいて盛り上がってましたね。

場面で印象に残ったのは、ルドルフの死の場面で、トート達の衣装がマイヤーリンクで一緒に自殺したマリー・ヴェッツェラを想起させるスカートで恐ろしかったのと、2幕目でゾフィーが歌う場面を見ていて、ゾフィーの悲哀が感じられて、初めて「いいなあ」と思いました。

ウィーン版は各幕とも内容がまとまっているので初見のお客さんでも分かりやすいのが良いと思うんですが、原因は訳詞の内容にもあるのではないでしょうか、宝塚や東宝がラブストーリー路線で仕上げているのに対してウィーン版は完全にエリザベートが主役として作られているでしょう?やっぱ国内版の「エリザベートは悪くない&トート閣下は愛し続ける」ってのは結果的に陳腐になってるような気がする。まあ宝塚はともかく前々回の東宝演出は何?と思いましたもん。さて、観客のノリは、1幕は模様眺めという感じで、拍手が起こってもよさそうな場面もスルーでしたが、2幕になると非常に反応が良くなり、カーテンコールのあとも延々拍手を続けてメインキャストが再び出てきていました。ここでは客席からブラボー!も出てましたね。まあこれから千秋楽に向かって客席のボルテージが上がっていくのでしょうか?

やはりウィーン版は凄かった!